三浦瑠麗氏 コロナ新規感染激減 新仮説の報道に苦言「非常に危険。リテラシーない人がこれを見たら…」

[ 2021年11月2日 09:29 ]

三浦瑠麗氏
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 国際政治学者の三浦瑠麗氏(41)が2日、フジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月~金曜前8・00)に出演。新型コロナウイルス新規感染者が激減していることについて、報道に苦言を呈した。

 番組では、国立遺伝子研究所と新潟大の研究による仮説が国内で注目されていると紹介。デルタ株の増殖に関わる重要な酵素が異常に働き、うまく増殖できずに自ら死滅したことが感染者の激減につながっているのではという説を取り上げた。

 三浦氏は「こういうニュースはホントに気をつけなきゃいけないと思うんですけど、まず論文になっていないだけじゃなく、これが日本の感染の上がり下がりにどのくらいのインパクトを及ぼしているのか。何にも言われていない」と指摘。

 「ありとあらゆる行動の変化やウィルスの特性が総合的に感染の波を作って、収まっていく中で、これがなんか一つのカギのようにね。もともとわかっていた部分もあるが、今回確認されましたってことを、『日本の人々はすごい条件のもとにあるらしい』みたいにやるのは非常に危険。それに、リテラシーのない人がこれを見たら、日本だけすごい神風か!みたいな話になっちゃうじゃないですか」と苦言を呈した。

 世界的に見れば、「北半球、日本より寒い国は再拡大しているし、第6波は来るんだと前提のもとで。昨年のサンプルを見ると、年明けにピークが来た。そういうところのコントロールに議論を振り向けないと」と主張した。

 また「科学者がダイレクトにマスコミにアクセスして、ある極端な仮説を示してこうなるんだぞって言われちゃうと、テレビ局もそうなんですかってなっちゃう。このサイクルが不健康。今回はなんとなく安心できる材料だけど、以前何が起きたかというと、テレビはひたすら42万人死ぬとか言って、自粛警察が跋扈(ばっこ)したわけじゃないですか。今回こういう情報がもたらされたからと言って、いきなり素人判断しないでほしい。じゃあ、外国人は危険なのかとか、すぐそういう差別につながるから」と悪しき体制も指摘した。

 解説した昭和大学医学部特任客員教授の二木芳人氏は「変異株がかぶると容易に再拡大は起こりえる。きちんとした監視も必要」とし、新規感染者が激減しても警戒を緩めるのは危険だという見方を示した。

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2021年11月2日のニュース