妻夫木聡主演のNHK終戦ドラマ 未公開シーン14分追加 より丹念な描写に 9・4BSプレミアムで放送

[ 2021年9月4日 10:30 ]

終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」。太一(妻夫木聡)と房子(蒼井優)(C)NHK
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 俳優の妻夫木聡(40)が主演を務め、8月13日にオンエアされたNHKの終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」(総合テレビ、75分版)の拡大版(89分版)が4日午後10時半からBSプレミアム・BS4Kで放送される。

 第2次世界大戦末期に行われた米兵捕虜の生体解剖を題材に、人間の狂気と正気を描くヒューマンサスペンス。原案は元大阪府立高校教諭・熊野以素氏の「九州大学生体解剖事件70年目の真実」。脚本はあさま山荘事件など社会的な事象をモチーフにした作品で注目される「劇団チョコレートケーキ」の脚本家で俳優の古川健(43)、演出は連続テレビ小説「ひよっこ」「なつぞら」などの田中正監督が務めた。

 妻夫木が演じたのは、捕虜の実験手術に関わる西部帝国大学医学部助教授・鳥居太一役。教授に中止を進言したが、手術は続行され、終戦後に戦犯となる。夫の死刑判決に納得いかず、救出に奔走する妻・鳥居房子役を女優の蒼井優(36)が演じた。2人の夫婦役は2013年の映画「東京家族」、16~18年の映画「家族はつらいよ」シリーズに続き、3回目。

 映画化もされた遠藤周作氏の小説「海と毒薬」などの名作でも取り上げられた題材。再放送の要望を含め、多くの反響があった。今回の拡大版は、未公開シーン14分を追加。巣鴨プリズンにおける主人公・太一と死刑囚たちとの交流、太一救出のための妻・房子の奮闘が、より丹念に描かれる。クライマックス、太一の決断のもう一つの理由が明らかになるエピソードも盛り込まれる。

 8月18日に亡くなった俳優の辻萬長さん(享年77)が太一の父・鳥居一郎役。今作が最後のドラマ出演となった(※「辻」は一点しんにょう)。

 <あらすじ>1945年5月。西部帝国大学医学部・助教授の鳥居太一(妻夫木)は教授の指示の下、米兵捕虜の手術を手伝うが、それは人体実験手術だった。教授に恐ろしい手術の中止を進言するが、却下され、8人の捕虜が死亡。戦犯裁判で死刑判決を受けた太一は、凶行を止められなかった自分と向き合うことになる。一方、妻・房子(蒼井)は裁判の中でゆがめられた真実を明らかにし、事件の首謀者にされた夫を死刑から救おうと奔走。房子の必死の思いと、死刑囚たちとの新たな出会いにより、太一は目を背けていた本当の罪に気づいていく…。

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