愛知“密”フェス主催代表 あらためて謝罪「認識の甘さが原因」第三者委員会に協力 当初の「お詫び」削除

[ 2021年9月4日 17:35 ]

 新型コロナウイルス感染対策が不十分で約8000人が参加したことで批判を集めている、愛知県常滑市で8月29日に開かれた野外音楽イベント「NAMIMONOGATARI2021」を主催した「office keef株式会社」(名古屋市中区)の代表取締役・富永基煥氏が3日、あらためて公式サイトで謝罪した。独自の判断により酒類を販売したと認め、事実関係を検証する第三者委員会には「万難を排してご協力申し上げます」とした。当初、公式サイトに掲載していた「お詫びと経緯のご説明」は削除した

 「緊急事態宣言が発令された中での開催であり、三密を避ける努力はしたものの、約8000人の参加者に対してコロナ感染を避ける対応としては不十分であったこと、並びに、様々の経緯があったとはいえ、独自の判断においてアルコール類を販売したことも事実です。すべては自己の認識の甘さが原因であります」などと釈明。

 「準備が進んでいく中、8月18日までの10日前までの時点で、今年の開催が可能なこと、過度な飲酒でなければお酒の提供も可能という状態で愛知県から話を頂き、10日前から会場の設営に入りました」「酒類の販売の自粛要請も頂いていましたが、一部キャンセルできない物を販売しますと愛知県担当者に報告をし、過度の飲酒にならないよう、お1人様2杯までとし、アルコールはアルコールチケットで販売をし、杯数の管理をしていました」などと説明し、公式サイトに掲載していた当初の「お詫びと経緯のご説明」は削除した。

 大村秀章知事は8月31日の記者会見で、主催会社による「県が酒類提供を容認していた」との主張を批判。「自分たちに都合よく、事実と異なる主張をしている。到底看過できない」と述べた。主催者側は酒類提供に関し「過度でなければ提供可能と県から話を頂いていた」としているが、県側は酒類提供を容認した事実はないと強調。「キャンセルできない酒類を販売したいと申し出はあったが、再度自粛を強く要請した」と反論し、事実関係を検証する第三者委員会を設置する考えを示した。

 第三者委員会について、富永氏は「当社はその事実確認についても避けることなく、万難を排してご協力申し上げます。合わせて、事実確認がどのような内容であったかを明らかにしていただけることをこころから望んでいます」とした。

 梶山弘志経済産業相は8月31日、補助金交付取り消しの可能性を示唆。閣議後記者会見で、事実関係の究明に乗り出したと明かした。イベントには最大3000万円の補助金交付が決まっていたが「場合によっては取り消し処分になるかと思う」と話した。

 富永氏の謝罪文は以下の通り。

 拝啓

 今般、2021年8月29日に開催した「NAMIMONOGATARI2021」を県の施設をお借りして主催させていただいたoffice keef株式会社の代表取締役です。

 緊急事態宣言が発令された中での開催であり、三密を避ける努力はしたものの、約8000人の参加者に対してコロナ感染を避ける対応としては不十分であったこと、並びに、様々の経緯があったとはいえ、独自の判断においてアルコール類を販売したことも事実です。その対応に対し、県、市、医療従事者の皆様、参加者の皆様、出演者の皆様、並びにすべての音楽関係者の皆様他、全国の多くの方々にご批判を頂き、当社の対応が安易に流れたことにつき、こころからお詫び申し上げます。すべては自己の認識の甘さが原因にあります。

 この度のイベントについては事実と異なる点があるとして、県は第三者委員会を立ち上げて事実確認をする旨、述べられています。当社はその事実確認についても避けることなく、万難を排してご協力申し上げます。合わせて、事実関係がどのような内容であったかを明らかにしていただけることをこころから望んでいます。

 なお、コロナ禍が解消したアフターコロナにおいては、各種イベントや他社皆様、企画者様のイベントがスムーズに再開できることをこころから念じ、当社のイベントの開催がアフターコロナの皆様の企画実行に足かせにならないよう、心から念じています。

 ついては、掲載していた「お詫びと経緯のご説明」については削除させていただくとともに、改めてこころからお詫び申し上げます。

 敬具

 2021年9月3日
 office keef株式会社
 代表取締役 富永基煥こと鄭基煥

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