木下ほうか「演技が楽しいと思ったことは一度もない」も映画が「ひたすら好き」で30年
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【俺の顔】俳優の木下ほうか(56)は井筒和幸監督(67)の薫陶を受け、映画の魅力に没入していった。1981年「ガキ帝国」で体験した初めての撮影現場、自身の姿がスクリーンに映った時の衝撃は今も鮮明だ。「演技が楽しいと思ったことは一度もない」と言いつつも、完成した作品を見ることで反省も含め新たな活力にする。初心を忘れず、常に研さんを積んでいる。
「やるからには作品を良くしたい、結果を出さなければいけないというプレッシャーがあるから、楽しいという感覚とは違うと常に思っているんです。撮影中はずっと体調を整えなければいけない、遅刻はできないといったさまざまな責任があるし、セリフをきっちり覚えなければいけないのが最大のしんどさ。めちゃくちゃ苦痛ですよ」
木下は、苦笑交じりにこう持論を展開する。それでも30年以上続けてきたのは「ひたすら好き」だから。その意思を固めたのが、井筒監督の「ガキ帝国」だ。地元大阪での映画撮影で、新聞広告で見つけたオーディションに見事合格。青春の思い出の一ページのつもりだった高校2年生の目の前がパッと開けた。
「大勢で何かをこしらえている雰囲気が魅力的で、何もかもが面白かった。来る日も来る日も朝から晩まで、自分の撮影がない時も見学に行っていました。一番は映画ができて、客席の向こう(スクリーン)に自分がいることに衝撃を受けて、もうこれがやりたいとはっきりしましたね」
大学に進んで演技の基礎を学び、吉本興業に就職。これも新聞広告で全国オーディションを知り、募集要項の「俳優・タレント」の文字にひかれたという。“配属”は吉本新喜劇だった。
「入ってから半年以上は休みがゼロ。朝一番に行って全員の化粧台前を掃除しながら、うどん屋の客をやるといった修業めいた出演をしていました。ちゃんと給料をもらえて、見てくれる人もそれなりにいて役もどんどん良くなっていきました」
だが、映画への夢を諦められず3年で退社し、井筒監督を頼って上京。紹介された映画関係者の宴席などにできる限り顔を出し、名刺を配る“営業”にいそしんだ。
「重要なのは断らないこと。一晩に2、3人から呼ばれてフットワーク良く回ったこともありました。人とつながってアピールするしかすべがなかったんです。それで刑事Aや、やくざA、セリフがなくてもチャンスがあれば、結果を出すために全力でやって使い道があると一目置かれると1単位。元々、自分の演技の考え方には自信があったので、その単位を年に5、10と増やせば絶対に食えると思っていました」
地道な活動で役を得ながら、井筒監督の「岸和田少年愚連隊」(96年)で演じた不良少年役が評価され、アルバイトをしなくても「食える」ようになった。そして14年、フジテレビ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」の妻をイビる夫役、続く同局「痛快TVスカッとジャパン」のイヤミ課長で50歳にして一気にブレークした。ひょうひょうとしながら、相手をじわじわ追い詰めるような役どころが秀逸。「来る役の9割がいけず(意地悪を意味する関西弁)」と自嘲気味に話すが、ここにも自負がある。
「電車で僕を見て“あっ”という顔をする人が増えたけれど、どこか敵対した目をしている。ちょっと複雑でしたけれど、憎まれるということは言ってみれば正解ということですからね」
ただ「僕はそういうの苦手ですから、しんどいんですよ」との主張も。その照れ交じりの笑顔に人柄の良さがにじみ出ている。イヤミ課長は子供たちにも支持される予想外の現象が起き、バラエティー番組にも引っ張りだことなったが、多忙ゆえの悩みも生まれたという。
「最初の何回かはいい結果に転んだんですよ。それも続かなくて、無理してやるようになったら息苦しくなってきた。人に認識されることに憧れていたにもかかわらず、飲み屋でサインや写真を求められることが嫌になってきたんです。ありがたいことですけれどしんどかった」
それでもバラエティーは控えめにするなど余裕をつくりながら、全ての仕事を糧にしていく。その中にあって、ホームともいえる井筒組の存在は絶大だ。
「総合的に井筒さんを超える演出家には会ったことがないですから。信頼が既にできていて安心感がありますし、僕の良さを最も引き出してくれる。僕にとって監督は全てなんです」
10年ぶりのタッグとなった「無頼」は12月公開。「16歳の時に得た感覚はそのまま」という思いを、師匠の現場で随時確認しているのかもしれない。
《「僕にとって全て」井筒監督と「無頼」で10年ぶりタッグ》「無頼」は井筒監督にとっても8年ぶりの新作。地方都市で組を構えたアウトローたちが、社会にあらがう姿を通して昭和を描く群像活劇だ。木下の役どころは、主人公の井藤組組長(松本利夫)と親交のある元国会議員の活動家。井筒監督のオファーは常に「おまえ、なんかやれ」だそうだが「難しすぎて、お手上げ状態でした。言っていることがバラバラなのに筋が通っている。助監督とリハーサルをしていけそうだなとなりましたが、一回逃げようと思いました」と振り返る。スケジュールの都合で撮影は数日だったため「今度はもうちょっと重要な役で、長い時間、ね」といたずらっぽく笑った。
◆木下 ほうか(きのした・ほうか)1964年(昭39)1月24日生まれ、大阪府出身の56歳。81年、高校在学中に「ガキ帝国」で映画初出演。大阪芸術大学卒業後、吉本新喜劇に所属。主な出演映画は99年「鉄道員(ぽっぽや)」、05年「パッチギ!」、06年「嫌われ松子の一生」、18年「嘘八百」など。日本テレビ「ぶらり途中下車の旅」などでも知られ、放送中のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」では織田信光を演じている。
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