記録係いなくても…天井カメラとAIで棋譜を自動記録 3密も回避 

[ 2020年5月17日 05:30 ]

記録係なしで対局する清水市代女流七段(右)と鈴木環那女流二段。天井カメラを通じて棋譜が自動作成される
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 東京都渋谷区の将棋会館で16日に行われた将棋のリコー杯女流王座戦1次予選で、AIによる棋譜自動記録システムが初めて本格稼働した。

 通常はプロ(四段)を目指す奨励会員または若手棋士が記録係を務めるが、棋戦の増加などに伴い負担が激増。日本将棋連盟がリコーに棋譜の無人作成システム開発を依頼し、昨年7月の実証実験を経て本格運用に踏み切った。

 対局場に設置済みの天井カメラを通じて盤上の進行を解析し、自動的に棋譜として残すシステム。この日は時間計測運用が不安定になる症状が頻発したが、一方で盤面の読み取りによる棋譜の自動記録はほぼスムーズに行われた。

 初期トラブルの発生はあったものの、記録係不在で対局場の密状態が軽減されるため、開発時には全く想定していなかった新型コロナウイルス対策として利点も生まれている。鈴木大介理事は「これまで3人一組の対局が2人になる。年内には半分以上の対局で採用したい」と期待していた。

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