ホアキン・フェニックス 兄リバーに捧ぐ初オスカー「愛情と平和の心を持って人を助けましょう」

[ 2020年2月10日 14:15 ]

 映画界最大の祭典、第92回米アカデミー賞の発表・授賞式が9日(日本時間10日)、ロサンゼルス・ハリウッドのドルビー・シアターで開かれ、主演男優賞は「ジョーカー」(監督トッド・フィリップス)の米俳優ホアキン・フェニックス(45)が受賞した。2001年第73回「グラディエーター」で助演男優賞、06年第78回「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」と13年第85回「ザ・マスター」で主演男優賞にノミネートされたが、受賞ならず。今回、4度目のノミネートにして、ついに初オスカーの栄冠に輝いた。

 ステージに立ったホアキンは「我々は自己中心の世界観を持つ傾向にありますが、自然界を見れば資源が枯渇していることが分かります」と警鐘を鳴らし「私も悪をしてきました。利己主義だったこともあります。2度目のチャンスを与えてくれたことに感謝しています。我々は自分たちが救われるように、お互いに教育し、助け合うのが世界の最高の状態だと思います」と「ジョーカー」を重ねるように語った。

 スピーチの最後、「17歳の時、私の兄が次のように書いたんです。愛情と平和の心を持って人を助けましょう」と兄の言葉で締めくくった。

 スタンダップコメディアンを夢見る1人の男、アーサー・フレックがDCコミックス「バットマン」の悪のカリスマ“ジョーカー”に変貌する姿を描くサスペンス。ホアキンは名優が演じてきたジョーカー役に新たな歴史を刻んだ。

 19年第76回ベネチア国際映画祭で最高賞・金獅子賞を受賞。前哨戦の1つ、第77回ゴールデングローブ賞で主演男優賞(ドラマ部門)に輝いた。アカデミー賞は最多11部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞、撮影賞、音響編集賞、録音賞、編集賞、作曲賞、衣装デザインメーキャップ&ヘアスタイリング賞)にノミネートされた。

 日本公開は98日間(10月4日~1月9日)で興行収入50億5508万8000円、観客動員346万9196人と大ヒットした。

 ホアキンは1982年から活動を開始。M・ナイト・シャマラン監督(49)の映画「サイン」「ヴィレッジ」などに出演。08年に歌手転向を宣言したが、11年「ザ・マスター」に出演。ベネチア国際映画祭・最優秀男優賞に輝くなど、映画界に完全復帰した。兄は93年に23歳の若さで亡くなった俳優リバー・フェニックス。

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2020年2月10日のニュース