「ネタパレ」ゴールデンから“引っ越し”で濃密に 視聴者も評価

[ 2017年8月27日 17:00 ]

フジテレビ
Photo By スポニチ

 深夜で好評だった番組がゴールデン・プライムタイム(午後7時から同11時)に昇格していく番組はままあるが、その逆でゴールデンタイムから深夜帯に放送時間を移し、それをきっかけにより濃密な内容になり、視聴者から“深夜の方がいい”と好評なのが毎週金曜午後11時30分から放送の「ネタパレ」(フジテレビ)だ。

 南原清隆がMCを務め、毎回1組のゲストを招待し、“今見てもらいたいネタ”を披露するネタ見せバラエティー。前身は今年3月まで土曜7時のゴールデンタイムに放送されていた「超ハマる!爆笑キャラパレード」で、芸人たちのキャラにスポットをあてたコントや、コラボネタ、ロケ企画など、多くの視聴者を飽きさせないようなスピード感のあるゴールデン向けの仕様だった。

 「ネタパレ」にタイトルを変えての再出発では、コントやキャラにこだわらず30分という時間の中で、4〜5組のネタを次々と披露していくという“ネタ”をじっくり見せていくスタイルに変更された。アルコ&ピースの平子(意識高い系IT社長・瀬良明正)や柳原可奈子(セクシー恋愛コンサルタント・みざきなな)が扮する人気キャラの登場やコラボネタは踏襲しつつ、まだ無名の次世代芸人の紹介や社会問題を含んだ少しとがったネタの披露など、深夜の30分だからこそできる密度の濃い内容となった。

 気になるのが回によっての当たりハズレ。データニュース社(東京)のテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(対象2400人)によると、かつて16年4月〜17年3月に放映された「キャラパレ」が最高満足度3・83(5段階評価)、最低2・94だったのに対し、「ネタパレ」(4月14日〜8月11日)は最高4・00、最低1・67、と振れ幅がかなり大きい。ある一人の視聴者(42歳女性)を“定点観測”してみてみると、「中川家が最高!」「全部面白かった」「知らない芸人で楽しめた」といったポジティブなの解答の週もあれば、「盛り上がりに欠けた」「出演者がいまいち」と回によってテンションが全く違うのも面白い。他のバラエティー番組でも当たりハズレの回はもちろんあるが、ここまで満足度と視聴者の落差が大きいのも珍しい。

 それでも“引っ越し”は吉と出ている。「土曜ゴールデンの1時間から移動したが、深夜のほうがいい」(44歳女性)、「もうちょっと時間が長ければなー」(47歳女性)など、ゴールデン帯よりもファンが確実に増えていることが視聴者回答からうかがえる。

 一時期隆盛を極めたネタ番組だが、最近では毎週ネタを披露できる番組は少なくなっている。満足度が安定しない発展途上の番組だが、無名の芸人でも出演でき、挑戦的、実験的なネタも披露できるのは貴重。新たなスター、新たな番組のスタイル…何が生まれてくるのか、しばらく注視したい。

続きを表示

芸能の2017年8月27日のニュース