レンジャーズの22歳ラングフォード、パドレスの20歳メリルら、ルール改正で若手有望株開幕からデビュー

[ 2024年3月29日 13:39 ]

レンジャーズ・ラングフォード(ロイター)

 開幕日、米国各地で注目の若手選手がメジャーデビューを果たしている。レンジャーズ、22歳のワイアット・ラングフォードはカブス戦に「5番・指名打者」でスタメン。4回2打席目一死1・3塁、1-1から真ん中スライダーをとらえ、センターへ同点打となる犠飛。6回は95マイルの内角シンカーにバットを折られ遊ゴロとなったが、快足を飛ばして内野安打とした。3打数1安打1四球1打点で4-3の勝利に貢献している。

 タイガース、22歳のコルト・キースもホワイトソックス戦で「6番・二塁」でデビュー、4打数1安打で、4回に内野安打をマークした。ソウルシリーズにも出ていたパドレスの20歳のジャクソン・メリルはドジャース戦でプロ初安打を記録したが、この日もジャイアンツ戦で「9番・中堅」でスタメン。ヒットはなかったが、1四球1得点と勝利に貢献した。

 ブルワーズの20歳の外野手ジャクソン・チョウリオも雨で試合が流れたが、メッツ戦でスタメン予定だ。レンジャーズのクリス・ヤングGMはAP通信の取材に、「今は若い選手のリーグになっている。この数年間、メジャー球団の選手育成に加え、アマチュア側での育成もうまく行っていることで、若い選手はメジャーでプレーする準備がより早く整うようになってきた。実際、早々と成功できている」と説明している。とりわけラングフォードは23年の一巡指名選手で、マイナーリーグでの出場試合数はわずか44試合だから驚きだ。数年前は全く違っていた。MLB球団は若手有望株が早く調停権やフリーエージェントの資格を得てしまわないように、プレータイムを操作するのに躍起になっていた。有名なのは15年のカブスのクリス・ブライアントのケース。13年のドラフト一巡だがデビューは23歳まで待たされ、しかも資格獲得をさらに1年遅らせるために、開幕戦では出さず、4月17日のデビューだった。

 当時はそれが普通で15年は他にホワイトソックスのカルロス・ロドン投手が4月21日、16年のレイズのブレイク・スネル投手は4月23日、ツインズのホセ・ベリオス投手は4月27日、17年は、ドジャースのコーディ・ベリンジャーが4月25日に昇格した。18年のブレーブスのロナルド・アクーニャ外野手.、ブルージェイズのウラジーミル・ゲレロ内野手.も4月下旬だった。それが一転したのは22年合意の労使協定で新しいルールができたから。若手有望株が新人王の投票で上位2位に入った場合、彼らがいつ昇格していても、1年間のサービスタイムを受け取れるようになった。さらに球団が若手有望株を早く昇格させ、その後さまざまな賞の投票で高い順位を獲得すれば、球団が追加のドラフト指名権を獲得できるようになった。

 オリオールズとダイヤモンドバックスは、ガンナー・ヘンダーソンとコービン・キャロルが23年の新人王に輝いたことで24年に追加の指名権を得ている。若い選手にとっても、野球ファンにとっても良いルール改正だったと言えるだろう。

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