星稜 あのゴジラ松井を超える県勢初4強 山下監督「なかなか超えられなかった壁でしたが…」

[ 2024年3月29日 04:45 ]

第96回選抜高校野球大会第9日準々決勝   星稜5ー0阿南光 ( 2024年3月28日    甲子園 )

<阿南光・星稜>ベスト4進出を決め、スタンドへあいさつに向かう星稜ナイン (撮影・奥 調)
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 92年の松井秀喜(元巨人、ヤンキース)、18年の奥川恭伸(現ヤクルト)…。偉大な先輩たちがはね返された壁を星稜ナインが突き破った。2年ぶり5度目の準々決勝で初勝利。「ゴジラ超え」で石川勢としても初のベスト4に進んだ。

 「甲子園100年の歴史、96回の歴史がある大会で、なかなか越えられなかった壁でしたが、うれしい。我々の力だけではここまで来られなかった。石川県が大変な中、何か見えない背中を押してくれる力が本当にあるような気がして。不思議な感じです」

 山下智将監督が、元日の能登半島地震の被災地に元気を届ける快勝をかみしめた。阿南光の変則右腕・大坂将太の先発は予想外だったが、打席に立った選手がすぐに情報を共有。「かなり驚きましたが、生徒の方が動揺がなく、“こういうボールがある”と情報伝達してくれた」。初回2死二塁、初めて8強に導いた32年前の松井と同じ「4番・三塁」で先発した萩原獅士(れお)が左前へ先制打し、主導権をつかんだ。

 「自分は県外(兵庫)から来たけど、チームには石川県民も多い。そういう石川県の方にとっては大きな勝利になったかなと思います」

 投げては2年生右腕・戸田慶星(けいた)が2安打完封し、石川勢としては9度目の挑戦でベスト8の壁を突破。92年当時の監督だった父・智茂氏(現名誉監督)もできなかった4強進出に、山下監督は「成績上は超えたかもしれないけど、あの人を超えることは多分、ずっとない」と穏やかに話した。昨秋の神宮王者は新チーム結成後、公式戦16連勝。「石川県、負けないぞ」の合言葉を胸に、あと2勝を積み重ねる。 (山添 晴治)

 ○…石川勢が選抜大会で準々決勝を戦うのは今回が9度目。金沢が1964、66、90年に、星稜が92、95、18、22年に、日本航空石川が18年に挑み、いずれも敗れており、今回が初の4強進出となった。なお、福井、富山を含む北陸勢による優勝は春夏を通じて2015年春の敦賀気比(福井)のみ。

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