【筑後鷹】松本晴 2年目の来季は「1軍で(先発)ローテーション守れるなら数字もついてくる」

[ 2023年12月19日 06:00 ]

来季は1軍での飛躍を誓う松本晴
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 ソフトバンクのルーキー左腕、松本晴投手(22)がパワーアップ宣言――。亜大から加入した今季は1軍で3試合の登板にとどまった。オフは平均球速の5キロアップなどレベルアップを誓う。来季は1軍の先発ローテーションで回ることが目標で、4年ぶりのV奪回を目指すチームの力になる。

 もう一皮むける。来季、2年目の飛躍を目指す松本晴は秋季キャンプ終了後も、筑後市のファーム施設で黙々とトレーニングを重ねている。今月上旬には渡米し、シアトルの「ドライブライン・ベースボール」で学ぶなど、精力的に動いた。

 亜大出身で最速148キロの直球と変化球の切れが持ち味の左腕。今季のハイライトはプロ初先発の8月27日の楽天戦(楽天モバイル)だ。3回1/37安打5失点とホロ苦い結果で初黒星を喫した。四死球は3だったが、甘く入ったボールを見逃してくれなかった。「詰めの甘さがあった」と反省する。1軍での登板は3試合にとどまった。一方で2軍では先発、中継ぎ、抑えとポジションを問わずに17試合に登板し、1勝2敗1セーブで防御率3・31と一定の成績を残した。

 1軍では結果はついてこなかったが、一年を通じてケガをしなかったことは大きな収穫になった。亜大時代は3年春に左肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けて長期離脱するなど、故障に泣いた。この苦い経験から「めちゃくちゃ気を使いました」と自分の部屋をトレーナールームのように“改造”。「超音波が出る機械や、圧をかけて血流を良くするような機械も自分で買いました」。テレビを見ながらでも、体のケアができるようにした。自らに投資して環境をつくったことが実った。

 オフはすべてのカテゴリーにおけるパワーアップを目指す。「ピッチング全体をレベルアップさせたい。基礎的な体づくりもそうですし、技術的なところも並行して」と語る。投球面は「力強い球を投げること」がテーマで指標の一つが球速だ。現在の平均球速は141キロで「来年というより、取り組みを継続していって最終的に5キロアップしたい」と青写真を描いている。

 首脳陣からは先発でという話を伝えられたという。「勝負できる準備をオフシーズンにしたい」と語る。新任の倉野1軍投手コーチ兼ヘッドコーディネーターからは「しっかりストライクゾーンで勝負できる球種を増やす」という課題を伝えられた。

 新たに小久保監督の下、4年ぶりのVを目指す24年。「1軍でローテーション守れるなら、それなりに数字もついてくる。具体的な数字より、そこが目標です」と松本晴。1月は42歳のベテラン・和田の自主トレで心技体を学ぶ。来季の主戦場は、筑後以上の大声援が待つペイペイドームだ。 (杉浦 友樹)

 ◇松本 晴(まつもと・はる)2001年(平13)2月24日生まれ、大阪府出身の22歳。樟南では3年夏の鹿児島大会で20奪三振も甲子園出場はできず。亜大では1年春のリーグ戦から登板。3年春に左肘手術から4年春に復帰し、リーグ戦と大学選手権優勝に貢献した。22年ドラフト5位でソフトバンクに入団。背番号49。1メートル81、83キロ。左投げ左打ち。

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