ヤクルト山田主将の声かけの流儀 「するな」ではなく「していいよ」

[ 2023年12月19日 08:00 ]

ヤクルト・山田
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 部下や後輩に最大限の力を発揮してもらうにはどうしたらいいのか。世の会社員で頭を悩ませている人も少なくないはず。そんな人にも響くのではないかと思った。

 9日に都内で行われたヤクルト・山田のトークショー。質問コーナーで「守備中にマウンドに集まった際は、どんな言葉をかけているんですか?」と問われた主将の回答はこうだった。

 「基本まじめな話をする。“フォアボールを出していいよ”ということが多いですね。そういうと、抑えることが多い。逆に“長打を打たれるなよ”“フォアボール出すな”というと、そういう結果になる。“するな”じゃなくて“していいよ”の声かけが多いですね」

 マウンドに集まるときは、大概がピンチの場面だ。いつも以上に緊張したり、力が入ってしまったりする状況。プレッシャーをかけるのではなく、肩の力を抜いてあげる。来季で主将4年目。高津監督が「しっかりチームをまとめて、引っ張ってくれている大きな存在」と信頼を寄せる理由が少し分かった気がした。

 今季は下半身のコンディション不良で105試合の出場にとどまり、自己ワーストの打率・231、14本塁打、40打点。不本意な成績に終わり、球団初のリーグ3連覇を逃し5位に沈んだ責任を誰よりも感じている。

 「今年の悔しさを忘れることなく、しっかりオフを過ごしたい。しっかりチームの先頭に立って頑張りたい」と山田。会社員だったとしても、きっとよき上司になるであろう山田主将が、来季もチームをまとめてくれるはずだ。(記者コラム・青森 正宣)

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