初の日系侍・ヌートバー 米国人ながら日の丸背負う重圧「家族に恥ずかしい思いをさせたくなかった」

[ 2023年12月19日 21:13 ]

WBC決勝<日本・米国>優勝会見を終え引き揚げるヌートバー(撮影・会津 智海)
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 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日系選手として初の代表入りし、世界一に貢献したラーズ・ヌートバー外野手(カージナルス)の母・久美子さんが18日放送のBSテレ東「サムライの魂を持つ男」(後7・00)に出演。元日本ハムの斎藤佑樹氏(35)と対談した。

 5夜連続放送中の「BS5局共同企画 テレビが伝える“プロ野球”~あの歴史的瞬間、そして、未来へ~」の一環で、斎藤氏が渡米。ヌートバーの故郷・ロサンゼルス郊外のエル・セグンドにあるジョージ・ブレットフィールドで久美子さんと対面したほか、現地で日系人選手のルーツを探った。

 久美子さんは、米国人ながら日本代表入りしたヌートバーについて「日本人として頑張らなきゃいけない。なんでこんなアメリカから来たやつが、とか、バカなやつが来たって言われるのは嫌だからって気を遣ったと言ってましたね」と明かした。

 初の侍戦士というプレッシャーの大きさを心配し「ラーズがなんか言って来たら私もなんか言ってたかもしれないけど、何も言ってこなかった」と幸いヌートバーが代表で楽しんでプレーしている姿に安どした様子。

 VTR出演したヌートバーは、日の丸を背負うことについて「家族に恥ずかしい思いをさせたくなかった。変に目立ちたくなかったんだ。日本代表がどれだけ特別か知っていたし、ただチームの一員だと示したかった。アメリカの選手が日本に行くと速いボールを投げるかホームランを打つような強打者が多い。でも僕は日本チームで全力でプレーすることを示したかった。それが日本の選手たちが誇りに思うことだと知っていたから」とあくまで全力プレーに徹することを考えていたという。

 WBC優勝に貢献し「帰国してから多くの日系アメリカ人に影響を与えたことに気付いたんだ。特にカリフォルニアではメッセージをもらったり尊敬できる存在ができたと感謝してくれている。ビッグステージで成し遂げられたのはクールで、本当に素晴らしいことだと感じているんだ。僕にそんな影響力があるなんて思わなかった。ただ、野球をプレーする子供のように試合では緊張していて何も台無しにしたくないだけ。日本を代表する経験をできたことに感謝している」と予想以上の反響だったと語った。

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