阪神・岡田監督お手上げ今季11度目零敗 単独首位ターン決定も7月打率も本塁打も打点も最下位

[ 2023年7月17日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神0―3中日 ( 2023年7月16日    甲子園 )

<神・中>選手交代を告げベンチに戻る岡田監督 (撮影・奥 調)
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 阪神は16日の中日戦で打線がわずか3安打と精彩を欠き、今季11度目の零敗を喫した。特に7月は目下12試合で3度を記録。7月の月間チーム打率・197、同5本塁打、同24打点と打撃3部門全てにおいてリーグ最下位に沈む貧打に、百戦錬磨の岡田彰布監督(65)も、お手上げ気味。今季3度目の3連敗で、最大18あった貯金は再び10に目減りした。前半戦の単独首位ターンが決まった一方、2位に浮上した広島には1ゲーム差に詰められた。

 猛虎が得点の取り方を忘れてしまった。初対戦だったWBCパナマ代表の中日・メヒアを打ち崩せない。150キロ台の直球に押され、6回で降板するまで浴びせた安打はわずか3本でいずれも単打。これで7月12試合で3度目の零敗だ。4試合に1度のハイペースで発生するほどの貧打を、岡田監督は嘆いた。

 「昨日からというよりは、(打線の状態が悪いのは)ずっとやんか。ずっと言っていることやけどな」

 前日は150キロ台の直球が武器の高橋宏から3点を挙げたものの、打ち崩したとはいえない内容だった。両投手の共通点は速球派であること。差し込まれる形が目立ち、「(振り遅れは)ちょっとじゃないよ。だいぶな」とイラだちを隠さなかった。得点圏に走者を進めたのは2イニングのみ。その両方でチャンスが回ってきた1番の森下は、151キロの直球を打ちに出て、いずれも外野フライに倒れた。

 「そういうことよ。だから差し込まれているということよ」

 死球で右肋骨を骨折した近本が4日に離脱した。ノイジーとミエセスの両助っ人砲は低迷から抜け出せない。2軍降格から戻った佐藤輝も依然、低空飛行のままだ。頼るポイントが少ない打線はついに、7月の月間チーム打率が2割を切って・197まで低下。首位を守る成績の傍ら、月間チーム打率はリーグ最下位に沈んでいる。月間19勝を挙げた5月の同・261とはあまりに対照的な数字だ。そこに月間5本塁打、同24打点も加わり、実に打撃3部門で最下位という体たらくだ。

 試合を組み立てる先発陣を援護できない状況が続き、「結局、打つ方やろ。どのピッチャーでも、(敗因は)打つ方やろ」と矛先は自然と野手に向いた。梅雨入りしたままの打線へのイライラはピークに達した。囲み取材中に佐藤輝の起用法を聞かれると、「そういう質問はどう答えたらええの?」と記者に詰め寄る場面もあった。

 お得意さまだった「甲子園での中日戦」で、19年5月以来、4年ぶりにカード負け越し。“他力”によって前半戦の単独首位ターンが決まったとはいえ、今季3度目の3連敗でDeNAに代わって2位に浮上した広島とは1差。17日は前半戦最終戦。「いい形で終わりたいか?」の問いにも「いい形ってどんな形やねん」とぼやきは止まらなかった。(倉世古 洋平)

 <コイに1差迫られた>○…阪神の7月の打率は.197。本塁打5、打点24とともにリーグ最下位。今季の月間打率は3、4月の.239に始まり5月の.261をピークに6月.224、7月.197と下降している。またリーグ戦が再開した6月23日以降チームは7勝11敗1分けの借金4。勝率.389はリーグ5位。この間リーグトップ13勝7敗、勝率.650の広島に6ゲーム差→1ゲーム差まで詰め寄られた。

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