享栄のドラ1候補・東松「バットに当てられている時点で負け」 5回零封8K圧勝も辛口

[ 2023年7月17日 04:00 ]

第105回全国高校野球選手権愛知大会3回戦   享栄10―0旭野 ( 2023年7月16日    岡崎レッドダイヤモンドスタジアム )

<享栄・旭野>5回無失点の投球を見せた享栄先発・東松 (撮影・成瀬 徹)
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 第105回全国高校野球選手権大会(8月6日開幕、甲子園)の出場校を決める地方大会が16日、各地で開催された。愛知大会では夏初戦を迎えた享栄が旭野に10―0の6回コールド勝ちし、4回戦に駒を進めた。今夏初登板の最速152キロ左腕・東松快征(3年)は5回2安打無失点、8奪三振と今秋ドラフト1位候補としての実力を示した。

 自慢の剛球で奪三振ショーを演じ、改めて今夏の主役に名乗りを上げた。享栄・東松が夏初戦の先発登板で、5回無失点8奪三振。「初戦はエースが投げるもの。心の準備はできていました」。最速147キロと球威も上々で、自身初の甲子園へ順調に滑り出した。

 3回までは全球直球を選択して被安打2本にとどめ、試運転を終えた。変化球を解禁した7―0の4回からが本来の姿だ。直球を軸にフォークやスライダーなどを織り交ぜ、最後の2イニングを6者連続三振で締めた。ただし圧巻の内容とは裏腹に、自己評価は辛かった。

 「正直、ふがいない投球でした。圧倒する投球を目指している以上は、バットに当てられている時点で負け。大藤監督からも“このままでは日の丸を背負える投手にはなれないぞ”と言われました」

 甲子園には未出場ながら、世代屈指の左腕として知名度はすでに全国区。最速152キロ左腕の夏初戦を楽天とヤクルトの2球団が視察し、ヤクルトの伊東昭光編成部長は「楽天の松井裕樹のようなタイプだけど、個人的には先発をやらせたい。高校生左腕の中では、上の位置づけにいる」と賛辞を惜しまなかった。

 享栄は「愛知私学4強」の一角に数えられる強豪ながら、00年春を最後に甲子園からは遠ざかっている。「球場を観客でいっぱいにして、どよめきが起きるぐらいの投球をしたい。今の一番のモチベーションは、甲子園で大阪桐蔭の前田と投げ合うこと。絶対に甲子園に行きたいです」。世代No・1左腕は、大阪桐蔭・前田か東松か――。決着をつけるためにも、甲子園のマウンドに立つ。(河合 洋介)

 <東松 快征(とうまつ・かいせい)>☆生まれ&サイズ 2005年(平17)4月29日生まれ、愛知県東海市出身の18歳。1メートル78、89キロ。左投げ左打ち。

 ☆球歴 加木屋小1年から加木屋クラブで野球を始め、加木屋中では東海中央ボーイズに所属。享栄では1年秋からベンチ入りし、2年夏から背番号1。

 ☆目標 今秋に複数球団からドラフト1位指名されることを目指している。最大の目標は日本人初のサイ・ヤング賞。

 ☆性格 目立ちたがり屋と自己分析。「注目されれば、されるほど燃えます」

 ☆投打二刀流!? 夏初戦は、7番打者として初回2死満塁で右越えに走者一掃の二塁打。「打撃が楽しくて、得意になってきました」。大藤監督は「本当は6番を打たせたいぐらいです」

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