幕張総合・早坂 169球完投で初16強導いた!死闘…延長11回タイブレーク

[ 2023年7月17日 04:30 ]

第105回全国高校野球選手権千葉大会4回戦   幕張総合5―4千葉経大付 ( 2023年7月16日    成田市大谷津 )

169球の熱投で11回を完投した幕張総合・早坂(撮影・柳内 遼平)
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 第105回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)の出場校を決める地方大会は16日、46大会で309試合が行われた。千葉大会では幕張総合が延長11回の死闘を制して千葉経大付に勝利。早坂響(おと)投手(3年)は169球で4失点の完投劇を演じた。

 悲鳴を上げたいほど太陽がギラつく。気温35度。すでに169球を投じていた早坂の限界は近かった。2度目のタイブレークとなった11回1死一、二塁の二塁走者。9番・桜井幹太(3年)の打球が右前に落ちた。最後の力を振り絞り、走る。サヨナラのホームに滑り込み「やっと終わった…」と大きく息をはいた。

 「ビハインドでも楽しく、明るい野球ができた。いつか(決勝点を)取ってくれるだろうと思って投げた」

 3時間5分の死闘を制し初の16強入り。主役はまたも最速151キロ右腕の早坂だ。14日の完投勝利から中1日で先発。疲労の影響もあり7回まで4失点も8回以降は無失点で、10安打を浴びながら11回を4失点で完投勝利だ。打っても2安打。一時は3点を追った逆転勝利に「点を取られても仲間が取り返してくれた」と大粒の汗を流しながら感謝した。

 コンディションが万全ではない中、最速147キロの直球、スライダーでコーナーを突いて9奪三振。ネット裏で視察したDeNA・吉見祐治スカウトは「今日みたいに試合をつくれる投球ができるようになった。粘り強くなりましたね」と評価する。昨年まで捕手だった男が投手として急成長。伸びしろもまだまだある。プロからの注目もうなぎ上りだ。

 千葉大会は5回戦で早くも最大の盛り上がりを迎えようとしている。次戦の19日の相手は同じくプロ注目で最速151キロ右腕の平野大地(3年)を擁する専大松戸だ。ここまで3試合に登板して計26回、371球を投げている大黒柱は「専大松戸さんと戦うことができる。倒してさらに上に行きたいと思います」と頼もしい。

 決戦の地は千葉野球の聖地であるZOZOマリン。注目の投げ合いに、負けるつもりはない。(柳内 遼平)

 ◇早坂 響(はやさか・おと)2005年(平17)7月26日生まれ、千葉県松戸市出身の17歳。松戸市立東部小1年から高塚新田ラークスで野球を始める。松戸五中では軟式野球部に所属。幕張総合では1年秋、2年夏、秋に捕手としてベンチ入り。50メートル走6秒3。憧れの選手は日本ハム・伊藤。1メートル76、68キロ。右投げ右打ち。

 ≪千葉経大付が内野5人シフト≫10回から無死一、二塁で始まる延長タイブレークに突入。10、11回の先頭打者の際、守る千葉経大付が右翼手を投手と一塁手の間に置く内野5人シフトを敷いた。10回は先頭が右飛に倒れ、11回の先頭はバントを引いた際、二塁走者が帰塁できずタッチアウト。それでも最後は日本ハムで投手としてプレーした桜井幸博氏(47)を父に持つ幹太主将(3年)が1死一、二塁から右前に運んでサヨナラ勝ち。9番打者の殊勲打を柳田大輔監督は「この夏はついに覚醒した」と目を細めていた。

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