偉大なテッド・ウィリアムスについて学ぶだけでなく、存在を甦らせる吉田 OPSでもア・リーグ4位

[ 2023年7月17日 12:14 ]

前日のカブス戦で満塁弾を放ち、ダンベルを掲げる吉田(AP)
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 レッドソックスのアレックス・スピアーズ記者が「吉田正尚はレッドソックスの年代記でテッド・ウィリアムスに並ぶ大ヒットだ」と絶賛している。

 ウィリアムスは最後の4割打者であるだけでなく、通算OPS(出塁率+長打率)でも1・115でベーブ・ルースに次ぐ大打者。ボストンの伝説的英雄だ。

 吉田も偉大な先輩に敬意を表し、ただ今勉強中。スピアーズ記者に「彼が最後に4割を打ったことは知っているし、ライトのグランドスタンドの彼が打ちこんだ場所に、特別に赤く塗られた座席があるのも知っている」と話している。

 スピアーズ記者はその吉田について「ウイリアムスについて勉強しているだけではなく、彼の記憶を我々に呼び起こし始めた」と書いている。

 吉田は14日(日本時間15日)まで8試合連続のマルチ安打を記録、これはレッドソックスの左打者では1940年のウィリアムス以来の偉業だった。アレックス・コーラ監督も「それはすごいね」と目を細めている。

 15日は4打数0安打で記録は途絶えたが、16日(日本時間17日)のカブス戦では5打数3安打6打点の大暴れ。特にオールスター投手のジャスティン・スティールの内角高めの真っすぐをとらえ、実況アナ曰く「ミサイルのような」満塁本塁打を放っている。

 これで打率・317は6厘差のア・リーグ2位だが、もっと注目すべきはOPSでも4位につけたこと。チームメートのロブ・レフスナイダーは「吉田はすごい。多くの投手が初対戦だというのに、これだけ打てるんだから。身体の使い方という点で彼のスタイルは今まで自分が見てきたものと全く違う。たいがいの左打者は引っ張りに行って、それでも反対方向に打つ技術は持っていない。しかしながら彼はいつでもそれができる。タイミングを外されても、身体の一部が残っていて、遊撃手の頭を越す打球を打てる。そしてその打球が107マイルだったりする。5フィート8インチ(172センチ)の身体でそれができるのはわけが分からない。これからアメリカの打者は彼のスイングを研究することになるだろう。毎日彼を見ていて楽しい」と興奮気味に語る。

 ウィリアムスは「The Science of Hitting(打撃の科学)」という著書を1970年に出版した理論派だが、これから吉田の打撃術も米球界にインパクトを与えることになる。スピアーズ記者は「ここまでの最初の数か月は、基本的な要素を積み上げていた段階。これからもっとすごいことが待っている」と書く。レフスナイダーも「恐ろしいね。吉田はこれからどんどん良くなっていく。大きいのも打つし、打率も上がっていく」と予測している。

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