沖縄尚学の東恩納 小学校の音楽教諭の父・直樹さんとの約束果たした完封劇

[ 2023年7月17日 09:02 ]

第105回全国高校野球選手権 沖縄大会決勝   沖縄尚学3―0日本ウェルネス沖縄 ( 2023年7月16日    セルラースタジアム那覇 )

<沖縄尚学・日本ウェルネス沖縄>トランペットを吹いて息子の背中を押した東恩納の父の直樹さん
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 一度もホームを、三塁すら踏ませずに沖縄の夏を“完封突破”した。被安打6で完封した沖縄尚学のエース・東恩納蒼(ひがしおんな・あおい=3年)を中心に歓喜の輪ができる。全5試合、31回1/3を無失点で春夏連続出場に貢献し「無失点で終えることが自分の中で一番最高の形だった」と笑顔がはじけた。

 15日の準決勝では自己最速の147キロを出した直球を中心にスライダーも織り交ぜながら好投した。最大のピンチは2点リードの6回1死一、二塁だ。選抜後から「切れ」にこだわってきた直球で押し込み、相手の4番を見逃し三振に斬ると、5番はこの日最速145キロで二ゴロ。「真っすぐで抑えることで自分の中でも乗れるというのがあった」と大きく胸を張った。

 選抜を経験したチームは、その反動なのか勝てない時期があった。比嘉公也監督は「言葉が悪いけど、チームとして野球をなめているところが出ていた」と振り返った状況で、佐野春斗主将(3年)が鼓舞しながら立て直した。東恩納は「主将を中心にやってきた。みんなが下を向くことなくもう一度甲子園に出ようという気持ちが、こういう結果になった」と感慨に浸った。

 小学校の音楽教諭で選抜ではアルプス席からトランペットを吹いた父の直樹さん(56)からは大会前に「もう一度、甲子園で吹きたい。連れて行ってくれんか?」とお願いされていた。男の約束を果たし、聖地一番乗りを決めた東恩納は「ベスト8以上を目指す」と誓う。2度の全国制覇はともに選抜で夏の最高成績は14年のベスト8。2年ぶり10度目の夏。夢は広がる。

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