負けないエースが10年ぶり復帰!!ソフトB・斉藤コーチ「今、はやりのアレ」でV奪回 千賀の穴埋める

[ 2022年11月2日 05:00 ]

<ソフトバンク>新入団・就任コーチ会見で意気込みを話す斉藤和投手コーチ(撮影・中村 達也)
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 ソフトバンクに10年ぶりの復帰となった斉藤和巳1軍投手コーチ(44)は1日、寺原隼人3軍投手コーチ(39)、清水将海4軍バッテリーコーチ(47)とともに、ペイペイドームで就任会見を行った。現役時代に2度の沢村賞に輝くなど不動のエースだった斉藤和コーチは、メジャー挑戦が濃厚となっている千賀滉大投手(29)の穴を埋めて、球界で流行する「アレ」を目指すと誓った。

 グレーのスーツに日焼けした姿で会見に臨んだ斉藤和コーチは、重圧を正面から受け止めた。13年に現役続行を断念して以来、10年ぶりの復帰だ。「既に胃が痛い」とレジェンドに掛かる期待を肌で感じつつ「全力で全てに向き合っていきたい」と視線を上げた。

 課題は大きく2つ。まずはエース育成に全力を注ぐ。来季、メジャー挑戦を宣言している千賀の代役については「彼の穴は埋められないという言葉は使いたくはない。立場的に。どうにかして埋めます」ときっぱり。今季5年ぶりに2桁10勝を挙げた東浜や7勝の石川に加え、若手の底上げも課題に挙げ「30歳ぐらいで老け込んでるようじゃダメ。みんなに可能性がある」と幅広い目で投手の軸となる存在を見極める。

 自身は03年に20勝、06年は18勝でいずれの年も沢村賞、最多勝、最優秀防御率のタイトルを獲得した。その後は右肩の故障に泣いたが、生涯勝率・775は「負けないエース」として伝説になった。それだけに「エース」がもたらす影響力の大きさは知っている。

 2つ目は今季12球団最多だった520四死球(四球474、46死球)の削減だ。今季まで評論家として外からチームを見て「能力の高い投手が多い」と投手のポテンシャルを評価している一方で、「1年間、四球と向き合っていかないと。ゼロはないので改善の方向に向き合うことを一人一人と話し合う。意味のある四球はいい」と持論を展開した。

 最後に来季の意気込みを問われると、「優勝ができなかったわけで。今、はやりのアレを目指して、アレです。いやアレです。後日教えます」とニヤリ。阪神・岡田監督が選手に意識させないように「優勝」をあえて言い換える「アレ」だ。2勝2敗1分けで迎えた日本シリーズ第6戦は、オリックスが主砲・杉本の「あと2勝でアレ」という円陣での声出しから一気に日本一へと駆け上がった。

 SNSを積極的に活用し、流行にも敏感。厳しさとユニークを兼ね備えた指導で、投手王国の再建を担う。(福井 亮太)

 ◇斉藤コーチと一問一答◇
 ――指導者復帰の今の気持ちは。
 「プレッシャーを感じている。優勝を逃しているし、力になれたら」

 ――就任の打診が来た際の思いは。
 「来たか~という感じはあったが、うれしさの方が勝ったかな。これまでホークスに感謝の思いは忘れずに過ごしていた。少しでも恩返ししたい」

 ――今のホークスをどう見ていたのか。
 「若い選手が増えて、世代交代という言葉も耳にした。選手と交流を取りながら斎藤学コーチ、監督と最善の策、方法をやっていけたら」

 ――ホークスに還元できることとは。
 「(球団)外で見ていたものが中で何か力なるかわからないがマイナスはない」

 ◇斉藤 和巳(さいとう・かずみ)1977年(昭52)11月30日生まれ、京都市出身の44歳。南京都(現京都広学館)から95年ドラフト1位でダイエー(現ソフトバンク)入団。通算150試合で79勝23敗、防御率3.33。06年には投手5冠、沢村賞は2度(03、06年)受賞した。1メートル92。

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