“ブービー指名”がなんや!広島ドラ7・久保 オリ・ラオウ級の下克上目指す「順位は関係ない」

[ 2022年11月2日 05:00 ]

新井監督の写真を手にガッツポーズする大阪観光大・久保(撮影・河合 洋介)
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 広島ドラフト7位指名の大阪観光大・久保修外野手(22)が1日、同校で鞘師スカウトらから指名あいさつを受けた。ドラフト指名は12球団の支配下選手69人中68番目。オリックス・杉本が同じ「ブービー指名」から21年本塁打王、今季の日本シリーズMVPなど飛躍しており、「真面目に野球に取り組めば必ず活躍できるということを杉本選手が証明してくれた。1年目からしっかり頑張りたいです」と“ラオウ級”の下克上を思い描いた。

 巧打の右打ち外野手で、武器は遠投120メートルの強肩と50メートル走5秒9の足。広島や近鉄などで打撃コーチを歴任し、現在は大阪観光大の特別アドバイザー・伊勢孝夫氏も「守備と走塁は今から1軍で通用する」と太鼓判。久保自身も「順位は関係ない。まずは開幕1軍が目標」とアピールを誓った。

 指名あいさつを終えて、久保はドラフト会議当日の緊張感を思い起こしていた。各球団が続々と支配下選手の指名を終了。心中、あせりも生じていた。だが信じていた。そして運命の瞬間を迎えた。「やばいな…と思ったけど、(広島スカウトの)鞘師さんが自分のことを一番評価し期待してくださっていた。広島さんからの指名があるのでは…と思っていたので、選ばれた瞬間は、めちゃくちゃうれしかったし、ホッとしました」。指名は今年の支配下選手全69人中68番目。「生意気ですけど、獲らなかった球団を後悔させるぐらい頑張りたい」と広島への恩返しを誓った。

 同じ「ブービー指名」から成り上がった選手がいる。オリックス・杉本だ。15年のドラフト支配下指名88人中87番目で入団し、苦節6年目、30歳シーズンの昨季に本塁打王を獲得してブレークした。今年は日本シリーズMVPにも輝いた。

 「真面目に野球に取り組めば、必ず何年後かには活躍できるということを、杉本選手が証明してくれたと思います。真面目に練習すれば、自分も長くプロにいられると思いますし、1年目からしっかりと頑張りたいです」

 愛称「ラオウ」は飛距離を生かして飛躍。一方の久保が下克上の武器とするのは、遠投120メートルを誇る驚異的な肩と50メートル走5秒9の足だ。担当の鞘師スカウトは「足が速く、肩も強い。未完成だが、良い素材」と期待。コーチとして近鉄やヤクルトのリーグ優勝を支え、現在は大阪観光大の特別アドバイザーを務める伊勢孝夫氏も「守備と走塁は今から1軍でも通用する」と太鼓判を押すほどに、潜在能力が高い。

 「カープは下位指名から多くの選手が活躍していると聞いた。指名順位は関係ない。上位で選ばれた野手よりも早く活躍したいという思いがありますし、負けたくない」

 新井監督も6位指名から球団伝統の猛練習を糧にして成長した。伊勢氏と二人三脚で鍛え上げた打撃はパンチ力があり、磨けば光る原石。「まずは開幕1軍が目標です」。一片の悔いも残さないほど汗を流し、“ラオウ級”の下克上をかなえてみせる。(河合 洋介)

【久保修はこんな選手】
 ☆生まれとサイズ 2000年(平12)9月29日生まれ、大阪府河内長野市出身の22歳。1メートル81、81キロ。右投げ右打ち。
 ☆球歴 千代田小2年からジュニア千代田で野球を始め、千代田中では河内長野ボーイズに所属。石見智翠館(島根)では2年夏からベンチ入りし3年春からレギュラー。最高成績は3年夏の県準優勝。高校通算9本塁打。大阪観光大では1年春からリーグ戦に出場。
 ☆好きな言葉 「一番」。自他共に認める負けず嫌いで、両親には小学校から「何事も一番を目指しなさい」との教えを受けた。プロに入っても「一番を目指します」
 ☆好きな選手 カブス・鈴木。「あれぐらい体も大きく、スピードのある外野手になりたいです。打撃も参考にしています」
 ☆ミレニアム世代 広島・小園や中日・根尾らと同学年。「僕は甲子園に一度も出たことがない。甲子園で活躍していた選手たちと一緒に野球できることを誇りに思いますが、同級生としては負けられない。甲子園に出られなかった分、自分がプロで目立つぞという気持ちです」

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