落合博満氏 「今みたいにシーズン中に引退を発表…俺の野球の中にはその文字はない」

[ 2022年11月2日 17:10 ]

落合博満氏
Photo By スポニチ

 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(68)が2日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。プロ20年目、現役最終年となった1998年シーズンを振り返った。

 ロッテ、中日、巨人を経て、日本ハム移籍1年目の1997年は打率.262、3本塁打、43打点だったが、113試合に出場し、史上最年長の44歳シーズンでの規定打席に到達した。そして迎えた98年。開幕戦こそ4番を勝ち取ったが、4月25日の西武戦(東京ドーム)を最後に先発で4番出場する試合はなく、59試合の出場で打率.235、2本塁打、18打点に終わり、現役を引退した。

 1998年、信子夫人の誕生日前日である9月17日に家族に引退の意思を伝えた落合氏。では球団にはいつ伝えたのか。

 「一切内緒にしてた。優勝戦線争ってる時に、今みたいにシーズン中に引退を発表するとかっていうのは、俺の野球の中にはその文字はないんだ。その考え方は」と日本ハムには最後の最後まで言わなかったという。そして、現在のようにシーズン途中で引退を表明するという考え方は「ない」と持論を語った。

 「だから全て終わった時点で、発表するんだったら発表すればいいやっていうことで。だから最終戦、千葉マリンでロッテ戦があったけども、ダブルヘッダーかな。で、(上田監督が)“ゲーム行く(先発出場する)か?”って言うから、“いや、代打でいいですよ”ってそれは断ったもんね。“プロ野球の始まりが代打で始まったんだから、最後も代打でいいですよ”って言って。西武が優勝争ってたから、それに迷惑をかけたくないなっていうことでね」とプロ人生最後の試合の裏側も語った落合氏。

 続けて、3冠王を3度も獲った選手の最後の試合後に胴上げがなかったことについては「まあ、前にいたロッテと日本ハムなんだから、“一緒にやって胴上げでもしてもらえばいいじゃねぇか”っていうような話はあったけど、“いや、それはご辞退申し上げます”っていうことで。だから試合中でそういうことやるっていうのは、あんまり当時はなかったはず」と現在では引退が決まっている選手への試合中の“メジャー流儀式”や試合後のセレモニーや胴上げが普通なっているが、落合氏は最後まで“オレ流の美学”を貫いた。

続きを表示

この記事のフォト

2022年11月2日のニュース