阪神・岡田監督 安芸キャンプで先発発掘だ 07年開花した岩田稔に続く候補に「桐敷なんか楽しみ」

[ 2022年11月2日 05:15 ]

<阪神秋季安芸キャンプ>秋季キャンプのため高知入りし、歓迎の花束を贈呈された岡田監督(中央)(撮影・成瀬 徹)
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 阪神の岡田彰布監督(64)が1日、2日から始まる高知・安芸での秋季キャンプで、若虎の中から来季の先発ローテーションを任せられる投手を発掘すべく意欲を示した。2007年秋以来15年ぶりの安芸キャンプに臨む指揮官。前回監督時代の同年秋季キャンプで見いだし、翌08年に抜てきして10勝を挙げた岩田稔(39=現コミュニティアンバサダー)のような新星の出現に期待した。チームはこの日、メンバー33選手らが高知入りした。

 あいにくの悪天候。大阪・伊丹空港に現れた岡田監督は「これは(飛行機が)揺れるなあ。最悪やな」と苦笑いを浮かべた。ただ、指揮官として15年ぶりとなる安芸キャンプに向け、気持ちは高ぶっている。中でも、まだ直接見られていない若い投手陣をブルペンでチェックすることを待望。お目当ては、新たな「先発候補」だ。

 「ブルペンは(頻繁に)行くと思う。ブルペンに行ったら、もう帰ってこうへんで(笑い)。降りるのはええけど、あの階段、上られへんわ、もう…。どっちかいうたら先発が欲しいわな、おーん」

 すでに投手陣には、基本的に毎日ブルペン入りするように指令済み。みやざきフェニックス・リーグに参加していた投手の中には、一度も実際の投球を見ていない選手もおり、じっくりと能力と適性を見極めたい考えだ。

 そこで、まだ役割が定まっていない若手投手は基本的に先発調整からスタートさせることを明言。「先発(調整)させてから見極めると思うよ。みんなそうして高校の時からやっとるからな」。続けてスターターに求める資質として「ストレートやけど…でも先発になってくると、変化球の種類はあんまり少なかったらしんどい。変化球をたくさん投げられるというのは器用。器用な投手やな」と具体的に挙げた。条件を満たす先発候補を、見いだすことが狙いだ。

 秋季キャンプは、未完の大器を発掘する場と位置づける。前回監督時代の07年秋の安芸キャンプではプロ入り2年間未勝利だった岩田稔を見て「来年はかなり勝てる」と断言。実際に翌年は先発で使い続けて、10勝を挙げるブレークに導いた。

 「岩田はほんと、良かったよ。秋なあ、11月でこれは(来季)いけると思たな。ブルペンの球を見てもな」

 今秋もその眼力を駆使して「第2の岩田」を探る。その有力候補に挙がるのは、甲子園での秋季練習で「ええボール放ってたよ」と評価した村上、岩田と同じ左腕で「だから桐敷なんか楽しみよな」と直々に名前を挙げた桐敷ら。他にも有望な若手が少なくない。キャンプに参加させる梅野とも、意見交換しつつ、見極めを進める構え。投手は指揮官が掲げる「守りの野球」の根幹となる。「先発発掘の秋」が実り、大きくなれば「投手王国」の土台はさらに強固となる。(山添 晴治)

 ▽07年岡田監督の岩田発掘 秋季キャンプ初日の10月30日、ブルペンを視察した岡田監督は全15投手の中で2年目・岩田の速球に注目。「やる気、気持ちがね(伝わってきた)」と評価。打撃投手を務めた11月4日には「スムーズに投げてる。つかんだ感じするよな」とそれまで通算5試合で未勝利、防御率6.06だった左腕の躍進を予言している。翌08年、岩田はオープン戦15イニング無失点の好成績で初の開幕1軍に抜てき。初戦の3月29日横浜戦でプロ初勝利を挙げると、登板27試合でキャリアハイの10勝をマークした。

《桐敷、テーマは体力強化&制球力向上》
 来季先発に向け、阪神・桐敷は安芸のブルペンでのアピールを誓った。「できるなら先発でと考えている。コントロールが一番アピールできると思うので、一球一球を大事に投げたい」と体力強化と制球力向上をテーマに掲げた。ドラフト3位入団の左腕は今季1軍で7試合登板し0勝3敗に終わったが、みやざきフェニックス・リーグでは2試合に先発し、14イニング無失点。10月29日の巨人戦でも7回7安打無失点と好投した。「まだ初対面ですから」という岡田監督をクギ付けにする意気込みだ。

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