エンゼルス・大谷、球宴アピール2発8打点 ファン投票第1回中間発表は28万票差の2位

[ 2022年6月23日 02:33 ]

ア・リーグ   エンゼルス11ー12ロイヤルズ ( 2022年6月21日    アナハイム )

<エンゼルス・ロイヤルズ>9回、大谷が同点3ランを放つ(撮影・篠原 岳夫)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(27)が21日(日本時間22日)、ロイヤルズ戦で14、15号の3ラン2本を放つなど、日本選手最多の1試合8打点をマークした。同日にあったオールスター戦のファン投票第1回中間発表では、ア・リーグDH部門でトップに約28万票差の2位発進。試合には敗れたものの、強烈すぎるインパクトを残し、2年連続でのファン投票選出に猛アピールした。 

 これぞスターの中のスター。そう思わせる暴れっぷりだ。7―10の9回1死一、二塁。大谷は守護神バーローのカーブをすくい上げた。右翼席に起死回生の同点3ラン。一塁へゆっくり歩み出すと自軍ベンチへ向かって「COME ON!」と絶叫し、左手人さし指を突き上げた。

 1本目は1―6の6回無死一、二塁で右中間席に8試合ぶりの一発となる3ラン。追い上げムードを呼んだ。自己最多となる、同一シーズン4度目のマルチ本塁打。2発はともに低めの変化球を見極めてから甘い球を捉えたもので「走者がいたので自分の間合いで振ることを意識した」と納得の内容だった。7回と延長11回には犠飛を放ち1試合8打点は日米含め自己最多。日本選手としても06年の井口資仁(ホワイトソックス、現ロッテ監督)、09年の松井秀喜(ヤンキース)の7打点を抜く最多だ。

 試合は乱打戦の末に敗れた。1920年に打点が公式記録になって以来、史上初めて8打点を記録した打者がいるチームが一度もリードを奪えなかったという珍記録。「欲を言えば犠飛で終わった打席は安打でつなげれば、もっと点が取れた」。大谷らしく、さらに上を求めた。

 この日、大リーグ機構は7月19日(日本時間20日)に行われるオールスター戦の先発野手出場を決めるファン投票の第1回中間結果を発表した。大谷は55万5056票でア・リーグDH部門で2位。1位のアストロズのアルバレスの83万5669票とは約28万票差をつけられた。しかし、猛打爆発で15本塁打はリーグ9位タイ、45打点は同6位タイに浮上。「投票してくれたのは凄いありがたいこと。励みにして一試合一試合頑張りたい」。逆転での2年連続ファン投票選出に向け、さらなる活躍を見据えた。

 試合終了は午後10時53分。20時間もたたないうちに、22日(同23日午前10時49分開始)のロイヤルズ戦で先発マウンドに上がる。「今日は、なかなか(投打が)かみ合っていなかった。打線もチャンスを多くつくっていたし、なかなか難しい試合だった。切り替えて明日頑張りたい」。勝てばチームトップに並ぶ6勝目。唯一無二の二刀流としてフル回転を続けることで、42年ぶりにドジャースタジアムで行われる「真夏の祭典」のスタメンに名を連ねる栄誉にも、きっと近づく。(笹田 幸嗣通信員)

 ≪一度もリードできなかったのは史上初≫メジャーで1選手が8打点以上を記録しながら試合に敗れたケースは5度あるが、途中で一度もリードできなかったのは今回が初めて。日本球界では、江藤智(広島)が98年6月30日の横浜戦で8打点を挙げながら試合に敗れたのが唯一。

 ≪井口&ゴジラの「7」超え≫日本勢の1試合最多打点は06年6月25日に井口資仁がアストロズ戦で、09年8月21日に松井秀喜がレッドソックス戦で記録した7。大谷の過去最多は19年9月7日のホワイトソックス戦、今年5月9日のレイズ戦での5で、日本ハム時代の最多も16年に記録した5だった。メジャー記録は1924年ジム・ボトムリー(カージナルス)、93年マーク・ウィッテン(カージナルス)の12で、日本では飯島滋弥(大映)が51年に記録した11。

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2022年6月23日のニュース