槙原寛己氏 17試合連続無失点のDeNA・伊勢を分析 「力を抜いて空振りが取れている」 

[ 2022年5月10日 22:45 ]

<D・巨>DeNA2番手の伊勢(撮影・島崎忠彦)
Photo By スポニチ

 力を抜いて空振りが取れている。DeNAが3―1で勝利した10日の巨人戦で、本紙評論家の槙原寛己氏(58)が17試合連続無失点を記録したDeNA・伊勢大夢投手(24)を分析した。8回に2番手で登板した伊勢は3者連続三振で無失点。力を抜くという投手として一番難しいことで空振りが取れ、好投を続ける要因となっていると強調した。

 昨年までの伊勢とは明らかに違う。変な力みがないのだ。力を抜くという投手として一番難しいことができるようになった。

 力まないからリリースの瞬間に、しっかり力がボールに伝わっている。この日150キロを超えたのは1球だけだった。それでも、空振りが取れる。昨年まで伊勢が打たれるパターンは、変化球でカウントを整えられず直球しかない状況で、速い球を投げようと力んでしまい、球速が150キロを超えていても打たれていた。でも、立岡と八百板を空振り三振させたのが148キロなら、広岡の空振り三振も146キロだ。

 変化球でストライクを取れるようになったことで、常に投手有利で攻められる。特にフォークより少し浅く挟んだスプリットに近いボールが有効で、変化球でストライクを取れるという安心感から落ち着いて投球できている。去年までは相手よりも自分の状態がどうかだった。それが今はクイックや足の上げ方を変えたりしてタイミングをずらし、相手を見ながら投げられてる。加えて、早めに追い込むことができるから釣り球も効く。

 伝え聞いたところでは、2軍戦で投げた変化球に「使える」感覚を得たそうだ。私にも現役時代に経験があるが、いい感じで投げられた1球で感覚をつかんでガラッとよくなることがある。1つの閃きが今の伊勢につながっていると言っていいかもしれない。
 三嶋が出場選手登録を抹消される中、山崎は帰ってきたが、抑えで使いたい存在にもなってきた。伊勢もそこが目標だろう。
 

続きを表示

2022年5月10日のニュース