楽天 マー君で11連勝&驚異の勝率8割に挑戦 30戦以上消化のチームでは39年ぶりの快挙へ

[ 2022年5月10日 05:30 ]

キャッチボールする田中将(撮影・会津 智海)
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 39年ぶりの壁を越える!10連勝で首位を快走する楽天は、10日から楽天生命パークでロッテと3連戦。田中将大投手(33)が先発する初戦で11連勝なら勝率8割に達する。30試合以上を消化して勝率8割以上は過去に4チームで6度しか例がない快挙。コロナ下の入場制限が解除された今季はここまで本拠地で満員御礼が一度だけでもあり、右腕は快進撃を続けてファンを呼び戻すことを誓った。

 飛ぶ鳥を落とす勢いは数字を見れば明らかだ。貯金17、勝率.793はともに両リーグトップ。10日も勝利すれば31試合で24勝6敗1分けとなり勝率.800となる。30試合以上で勝率8割超えなら2リーグ制以降では83年の巨人以来39年ぶり。だが、田中将に気負いはない。楽天生命パークでの調整を終え、胸中を語った。

 「連勝中だから緊張することはない。別にピンチじゃないし。こっちが乗っていることなんで。非常に良い流れなので、僕もしっかり投げてアウトを積み重ねていければ」

 チームの勢いは実感しているが記録は後からついてくるもの。レギュラーシーズンを無傷の24連勝で球団初の優勝&日本一に貢献した13年もそうだった。どんな状況でもグラウンドでは勝利のために最善を尽くす。象徴的だったのが4月26日のロッテ戦。最大19メートルの強風にアジャストし7回1失点に抑えた。白星はつかなかったがチームは延長10回の末に勝利。ここから破竹の大型連勝が始まった。

 3カードぶりに本拠地に戻る。4月30日のソフトバンク戦は大型連休期間でもあり2万5602人で今季唯一の満員御礼だった。ファンはパワーの源。特に13年はナインと球場のファンが一体になって頂点まで駆け上がった。田中将は当時を知る数少ないメンバーで「やはり試合を見に行きたいと思ってもらうことが大事。お客さんを呼べる選手がいるか、チームが強い、勝つというところで注目が集まる」と強調する。

 11年以降は観客動員数は右肩上がりで19年は球団最多182万1785人を記録。しかし過去2年はコロナ禍による入場制限が水を差した。ファンが球場に戻れば選手のモチベーションとパフォーマンス向上にもつながる。理想的な好循環を生み出すためにも田中将のミッションは一つ。チームの勢いは止めない。(重光 晋太郎)

 ≪83年の巨人が最後≫2リーグ制以降、開幕30試合以上を消化して勝率8割以上を維持したチームは83年の巨人まで延べ6チームだけ。うち、最高勝率は65年南海が65試合時に記録した.859で、最も長く8割台を維持したのも同年南海の81試合目となっている。また、シーズンの最高勝率記録は、1リーグ時代の38年春にタイガースがマークした.829だが、35試合(29勝6敗)で記録したもの。2リーグ制以降では51年南海の.750(72勝24敗8分け)が最高だ。

 ≪熱海土石流災害復興に215万寄付≫昨年7月に静岡県熱海市で発生した土石流災害の復興を目的に田中将が同12月に実施したチャリティーオークションの落札額が同市の義援金窓口に寄付された。本人が実際に使用したサイン入りグラブやスパイク、ユニホームが出品され、計215万720円が集まった。田中将は球団を通じ「たくさんの方々に足を運んでいただくことが一日も早い復興につながっていくと思います」とコメントした。

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