エナジック・平安 「野球人生初」代打逆転サヨナラ打 元オリックス・石嶺監督に大会初勝利プレゼント

[ 2022年5月10日 05:30 ]

JABA九州大会   エナジック9-8王子 ( 2022年5月9日    北九州市民 )

<エナジック・王子>9回、サヨナラ勝ちに喜ぶエナジックナイン(撮影・柴田 春男)
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 エナジック(沖縄・うるま市)が劇的なサヨナラで大会初勝利を挙げた。1点を追う9回2死一、二塁に代打の平安郁太(ひらやす・いくた、23)が中越え2点二塁打を決めて9―8と逆転。NTT東日本(東京都)を8―3で下して初勝利した西部ガス(福岡市)とともに準決勝進出に望みをつないだ。

 プロ野球オリックスのブルーサンダー打線などで中軸として活躍した石嶺和彦監督はエナジックを率いて7年目。月に1度は野手たちを自宅に招き、夕食がてら打撃教室を開く。力説するのは「速い直球に合わせて待ち、変化球はタメて対応する」というタイミング論。招かれた“石嶺道場”の門下生たちはそれを肝に銘じている。入社2年目の平安もそのひとりだ。

 1点を追う9回2死一、二塁。代打に立った平安は1ボール後の2球目。フォークボールが落ちきらず甘めに入ったところを叩き、中越え二塁打で走者2人を迎え入れた。直球を待ち変化球に対応する。石嶺打撃論の忠実な実践は「野球人生で初めてのサヨナラ打です」という値千金の大仕事を引き出した。

 豊見城南高から沖縄国際大を経て入社した昨年は左膝を痛めて手術。ほぼ1年を棒に振った。練習復帰は今年の3月と出遅れ、JABA静岡大会で出番はなし。これが今季2打席目だったが、出番が少ない中でチャンスを生かし、準決勝進出の望みをつないだ。28日には全国大会初出場が懸かる都市対抗九州2次予選も始まる。「高校、大学で全国大会を経験していないので社会人ではぜひ実現させたい」。1年間の回り道もこの日のひと振りにつながったのなら無駄ではなかった。(中島 泉)

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2022年5月10日のニュース