ヤクルト高津監督の考える言葉の力

[ 2022年4月11日 11:47 ]

ベンチでのヤクルト・高津監督
Photo By スポニチ

 ヤクルト・高津監督の日めくりカレンダーが発売されている。カレンダーには、昨年「絶対大丈夫」を合言葉に20年ぶり日本一に導いた指揮官の前向きになれるメッセージを凝縮。随所でナインを鼓舞してきた31の言葉が添えられている。

 今季も開幕戦で言葉の力でチームの士気を上げた。試合前の宿舎でのミーティング。コーチ、選手、スタッフを集め、「僕は自信がありません。でも、君らがやる自信は持っている。君らは絶対できる。君らはやる男。できる集団。そこは自信を持って下さい」と激励。ナインは昨年開幕3連敗を喫した阪神相手に開幕3連勝と好スタートを切った。

 まさに的確なタイミングでのメッセージ。昨季、言葉の力についてどう考えているのか、質問したことがあった。高津監督は「僕の一番の仕事は勝ちに導くこと」といい、「タイミングとかける言葉はすごく大切。例えば、誰かが“さあ行こう”と言うのと、監督が“さあ行こう”と言うのは、またちょっと違う。ぱっとやる気になる、よしとなるタイミング、どこかに絶対あるんじゃないかと」。自分の言葉次第でいい方向にも悪い方向にも行く。チームのトップとしての言葉を常に考えていた。

 「ただ、選手に申し訳ないことがある」とも続けた。「ミスが出るとベンチで“ああ”“うー”と声が出ちゃう。近くにいるムネ(村上)とかには聞こえていると思う。我慢しなきゃいけない。マスクが表情を隠してくれている部分はたくさんあると思う」と少しばつが悪そうに明かしてくれた。

 カレンダーの冒頭には「ポジティブに、前向きに、楽しく、元気に。それが僕の生き方の基本です」とある。ミスで声が出てしまうのは、「僕の生き方」にはきっと従っていないのだろう。ただ、記者は、悔しさや残念さが選手にも伝わることが決して悪いこととは思わない。むしろ感情が伝わった方が、選手の士気につながるときもあると思う。シーズンはまだ120試合以上。今季も高津監督の日めくりの表情や言葉を追っていきたい。(記者コラム・青森 正宣)

続きを表示

2022年4月11日のニュース