ヤクルト高橋“巨人キラー”の気配 7年目左腕シーズン初完投勝利

[ 2022年4月11日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト2―1巨人 ( 2022年4月10日    東京D )

<巨・ヤ>ヤクルト先発の高橋(撮影・久冨木 修)       
Photo By スポニチ

 グラブを叩き、左拳を強く握った。2―1の9回2死一、二塁。ヤクルト・高橋は最後の打者・丸を149キロ内角直球で二ゴロ。120球で散発4安打に抑え、レギュラーシーズン初の完投勝利を挙げ「サヨナラ負けでもいいという気持ちで内角を攻めた。最後は気合でした」と笑った。

 力んで制球を崩すことはなかった。古賀の好リードもあり「走者を出しても力まず投げられた」と感謝する。一発が出やすい東京ドームで最速152キロを計測した球威抜群の直球を主体に7奪三振。1―1の7回2死二、三塁の打席では「何とか1点欲しかった」と8球目までに6球もファウルで粘り、9球目の捕逸を誘った。自らもぎ取った決勝点。高津監督も「今日は(高橋)奎二の日。何事にも気持ちが伝わってくる選手。凄くいい打席だった」と評した。

 昨季途中から先発ローテーションに定着して4勝を挙げ、オリックスとの日本シリーズで完投勝利を挙げるなど貢献した。迎えた7年目。24歳ながら中心選手として自覚が芽生えつつある。上半身のコンディション不良で離脱した4歳下の奥川には「焦らずやってこい」と声を掛けた。20歳の長岡や21歳の浜田にも「僕も2、3年目くらいはちょっと荒れていた時もあったので、そうならないように」と私生活に乱れがないか目を配っている。

 レギュラーシーズン8試合目での巨人戦初勝利だが、昨季CSでも白星を挙げており、「Gキラー」に成長する気配も漂う。「次も長いイニングを投げられるように頑張りたいです」と高橋。チームの2年連続日本一のため、左腕を振り続ける。(青森 正宣)

 ▽高橋の昨年の日本シリーズでの初完投&初完封 11月22日の第2戦(京セラドーム)で同シリーズ初登板ながらオリックス打線に対し9回を133球、5安打5奪三振。6回以降は無安打で最後は代打・ジョーンズを空振り三振に斬った。6年目での初完投&初完封を大舞台で達成。レギュラーシーズンで完投経験のない投手の日本シリーズでの初完投は55年ぶり2人目だった。

続きを表示

2022年4月11日のニュース