日本ハム・新庄監督が近藤を中堅に起用する理由 指揮官のイメージカラー赤も継承

[ 2022年4月11日 09:00 ]

日本ハム・近藤
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 新庄監督が就任した日本ハムで一つ気になっていたのが、指揮官の後継者となる中堅手は誰が務めるのか、ということ。プロ7年目の昨季に初めて規定打席に到達した浅間や経験のある松本剛、五十幡、万波ら期待の若手も候補と目されていたが、ここまでは近藤が主に中堅手としてプレーしている。

 新庄監督は中堅手に求める資質を問われると「それはもう指示でしょう」と間髪入れずに返答。これまでは左翼や右翼を守ることが多かった近藤を起用していることについては「年齢的にも上だし、ずっとレギュラーを張ってきている。打撃が駄目でも指示をしてくれる。レフトだと打撃が悪かったら“はぁ”ってなる気持ちを“さあ、切り替えて俺が指示をしないと始まらない”という意識付け」と打撃と守備の切り替え、メリハリを付けさせる意図があると説明する。

 ベンチの指示が行き届かなかった失敗体験から、中堅手にはベンチの指示を常に気にかけてほしいという狙いもある。指揮官が一つの例として挙げたのが、3月27日のソフトバンク戦の4―3の5回1死二塁から三森に同点の適時三塁打を許した場面だ。「右中間(に寄れ)っていう指示が間に合わなかった。(寄っていても打球は)取れなかったけど、寄っている分、三塁打はなくなった」。次打者・今宮の遊ゴロの間に勝ち越し点を奪われただけに、二塁で止めていれば、との悔いが残ったのだ。「こっちも一生懸命指示しているけど、(外野手)3人が3人は間に合わない。センターだけでも(ベンチを)見てくれると」と広い視野に期待した。

 自身の後継者として代名詞の赤も継承した。今季、近藤は赤のリストバンドを着用してプレー。それは「ちょっと赤やってみて」と指揮官が開幕時に近藤に赤のリストバンドをプレゼントして要望していたのだ。近藤は「一番似合わない色だと思って避けてきた」と苦笑い。新庄監督は「遠慮して片方だけ」と物足りなさそうだが、ある日の試合前練習中には指揮官が近藤を中堅付近で直接指導するなど、現在野手陣の中で最も経験のある近藤への期待は大きい。

 新庄監督がレギュラー白紙を強調する今季。近藤がこのまま中堅手として定着するのか。それとも近藤を押しのけるほど勢いのある若手が台頭してくるか。チームは苦しい戦いが続くが、中堅の後継者争いもみどころだ。(記者コラム・東尾 洋樹)
 

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2022年4月11日のニュース