広島が「22年型勝利の方程式」で93年以来の開幕6連勝 栗林が年またぎで22戦連続セーブ

[ 2022年4月1日 05:30 ]

セ・リーグ   広島3ー2阪神 ( 2022年3月31日    マツダ )

<広・神(3)>ナインと勝利のタッチを交わす広島・栗林(右から3人目) (撮影・奥 調)
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 広島が31日の阪神戦で1点差を守り切り、93年の球団記録に並ぶ開幕6連勝を飾った。1点を勝ち越した後の7回から島内颯太郎投手(25)、中崎翔太投手(29)とつなぎ、最後は栗林良吏投手(25)が今季2セーブ目で締めた。「22年型勝利の方程式」が初めてそろい踏み。好調だった打線が今季最少3得点でも、投手陣が一丸で守った。

 
 栗林はアウトを取るたびに右拳を握った。「自分が悪くなったきっかけは分からない」。前回27日のDeNA戦では制球が乱れて1失点。マウンド上でも消せなかった不安の分だけ気合で押し込んだ。

 9回先頭の近本はカウント2―2からのフォークで空振り三振、続く糸原は3ボールから立て直して直球で空振り三振とした。最後はマルテを直球で中飛。今回はクイック気味の投球フォームを採用し、体重移動のブレ幅を最小限にすることで制球の安定を図った。これで昨年7月14日の中日戦から年をまたいで22試合連続セーブに伸ばし、98年佐々木主浩(横浜)のプロ野球記録に並んだ。

 「1点差で6連勝もかかっていた。いろんな意味で緊張した場面。ホッとしました」

 今季の勝ち継投を担う3人が初めてそろい踏みした一戦だった。1点を勝ち越した7回は、島内が先頭の糸原に二塁打を与えながら無失点で踏ん張り、中崎は2奪三振で栗林につないだ。佐々岡監督は「島内、中崎(の勝ちパターン)を確立できたことは大きい」と勝因の一つに挙げた。

 栗林は昨季20試合連続セーブのまま1年目を終了。今年1月、東京五輪の金メダルを見せてあげようと決めていた場所に向かった。中学時代に所属した軟式野球チーム「藤華クラブ」。選手たちの首に金メダルをかけて回った。

 新人王を受賞した壇上で「一人でも多くの子に野球を始めたいと思ってもらえるように頑張りたい」と言ったのは、小中学生の頃に野球の楽しさを学び「それが僕の原点だから」との思いがあったから。金メダルを持参した日は練習にも参加。一緒にノックを受けながら「野球は、とにかく楽しんでやればいいんだよ」と笑顔で伝えた。

 栗林の影響で同クラブの知名度が上がり、新1年生の入団希望者があっという間に定員に達したという。「例年以上に選手が集まってくれたみたい。僕も野球の楽しさを少しは伝えられていたのだな…って思えた」。次回はプロ野球新記録の23試合連続セーブに挑む。今季も記録更新で野球の楽しさを伝える。(河合 洋介)

 《20試合以上連続Sは3人だけ》栗林(広)が今季2度目の登板で2セーブ目。昨季7月14日の中日戦からシーズンまたぎで22試合連続セーブとなった。同一シーズンでの連続試合セーブのプロ野球記録、98年佐々木主浩(横浜)の22試合に並ぶ数字で、シーズンまたぎを含めても20試合以上連続は前出2人の22試合と09年岩瀬仁紀(中)20試合の3人だけ。阪神戦は対戦したセ5球団で唯一の登板全試合でセーブ。通算9試合で9回を4安打無失点の防御率0・00だ。

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