大阪桐蔭 歴史的優勝!史上最強打線だ 84年PL学園超え大会最多11発、20年ぶり“秋春連覇”

[ 2022年4月1日 05:30 ]

第94回選抜高校野球大会最終日・決勝   大阪桐蔭18ー1近江 ( 2022年3月31日    甲子園 )

<近江・大阪桐蔭>優勝を決め、歓喜の大阪桐蔭ナイン (撮影・後藤 大輝)
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 大阪桐蔭が31日の決勝で近江(滋賀)に18―1で大勝し、4年ぶり4度目の優勝を飾った。決勝史上最多に並ぶ4本塁打を放ち、大会通算11本塁打は84年PL学園(大阪=8本塁打)を抜いて大会最多を更新した。“秋春連覇”は02年の報徳学園(兵庫)以来20年ぶり。圧倒的な強さを見せつけ、夏の連覇も見据えた。

 松尾汐恩が左翼席へ打ち込んだ山田陽翔の初球は123キロの直球だった。手負いの体は変化球頼みの初回から分かった。「変化球を待っていたら直球が来て、しっかり対応できた」。フルスイングで応えることが好敵手に対する敬意と感謝だった。3回無死一塁。2戦連発で降板へと追い込み、大勢を決めた。

 昨夏甲子園大会の2回戦。近江に敗れてから日本一への挑戦は始まった。8番捕手。当時2年生では唯一の先発出場で、山田からの本塁打はあっても、誰よりも近い場所で悔しさを味わった。

 「縁がある。リベンジしようと思った」

 山田とはU―15日本代表でのチームメートで、名前入りタオルを贈り合った仲。背負っているものも同じだ。近江が代替出場なら大阪桐蔭も2回戦で不戦勝。「試合ができることが当たり前ではない」。コロナ下で汗を流す球児の思いを発揮する決勝の舞台だった。

 20年春に入学した世代。直前で史上初めて選抜が中止になり、夏の選手権大会も中止。高校生活は常に厳しい社会情勢と向き合ってきた。西谷浩一監督が「武器」と表現する寮生活。3人部屋で寝食を共にし、全国から集まる逸材が互いに高め合う伝統が困難な時期もあった。隔離部屋をつくり、野球ノートを従来以上に充実させ、館内電話なども通じて監督と部員は心をつないできた。松尾は星子天真主将、吉沢昂副主将と同部屋。毎日のように「泥くさく」と声を掛け合ってきた。

 松尾の一撃で大会記録に並び、2死後、田井志門の中越え弾で新記録。6回の海老根優大の左越え3ラン、8回の谷口勇人の満塁弾で“サイクル本塁打”をそろえた。84年のPL学園は5戦8発。大阪桐蔭は実質4戦で11発を数えた。大会全体で30本だった84年に対して今大会は18本。占有率は圧倒的だった。

 記録的優勝だった。準々決勝で1試合6本塁打(最多タイ)、1イニング3本塁打(同)、個人1イニング2本塁打(最多更新)、1試合43塁打(同)。決勝でも1試合4本塁打(最多タイ)、18得点(歴代2位)…。西谷監督は「いいチーム」から「強いチーム」へ「変わっていっている途上」と表現した。この強さは、まだ完成形ではない。

 【大阪桐蔭記録アラカルト】

 ☆大会11発 決勝戦で松尾、田井、海老根、谷口が本塁打を放ち、チーム大会通算11本塁打とし、1984年のPL学園(清原3、桑田2、黒木、旗手、鈴木)を抜いて大会史上最多記録を更新した。

 ☆決勝で4発、しかもサイクル弾 決勝の近江戦で4本塁打。決勝戦のチーム1試合4本塁打は17年の大阪桐蔭(藤原2、坂之下、西島)に並ぶ史上最多タイで、サイクル本塁打は史上初。

 ☆決勝で満弾 谷口が近江との決勝戦で満塁本塁打を記録。選抜決勝での満塁本塁打は82年のPL学園・松田以来、3人目。

 ☆先発全員安打 決勝の近江戦で先発全員安打を記録。選抜決勝では02年の報徳学園以来、史上3度目。

 ☆決勝は不敗 春夏通算9度目の決勝で全勝。

 ☆“秋春連覇” 昨秋の明治神宮大会を制した大阪桐蔭が選抜も制し“秋春連覇”。02年の報徳学園以来20年ぶり4校目となった。

 ☆4度目制覇 これで4度目の選抜制覇。東邦(5度)に次ぎ、中京大中京と並んで2位タイに浮上。春夏通算9度目の日本一は中京大中京(11度)に次ぐ2位。

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