ソフトB ・リチャード「牙を研ぎます」 空回り続いた中で見つけた光 “切り替えのうまさ”も健在

[ 2022年3月3日 09:00 ]

王貞治球団会長から指導を受けるリチャード
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 試練の連続だった。正三塁手候補のソフトバンク・リチャード内野手(22)は宮崎春季キャンプ中の対外試合で20打数3安打、打率・150。プレー以外でも準備不足や時間の使い方など、首脳陣からは「喝」を入れられた。期待が大きいからこそ、周囲からの注目も集まる。話題が尽きることはなかった。

 「過大評価しすぎました。もっとできるのではないかと。大きいのを狙いすぎて良くなかったので謙虚にいきます。自分の持っていることしかできない」。そう振り返った公称117キロの巨漢は少し、小さく見えた。

 今季40本塁打を約束している王球団会長兼特別チームアドバイザーからは連日の熱血指導。「ありがたい。結果で応えられようにしたい」と力を込めてバットを振ってきたが、空回り。思い通りにいかない日々が続いた。それでも、光を見つけ出した。

 キャンプ最終日の2月28日、フリー打撃で快音連発。バックスクリーンに当てるなど本来の飛距離が戻り、「谷しかなかったけど、今日(28日)から上がっていきます」と自信をみなぎらせた。これまでの不振を感じさせず、「ラーメンと餃子を食べたので大丈夫です」と持ち前のユニークな発言も復活。“切り替え上手”はレギュラーに必要な要素だ。

 「球の見え方が悪かったけど、調子が悪い時こそ、明るくいきたい。開幕に向けて牙を研ぎます」とリチャード。今キャンプの屈辱は野球人生の財産になるはずだ。規格外のパワーを誇る鷹のロマン砲は逆境を乗り越え、笑顔の春を迎えられるのか。ひと皮むけた姿が楽しみだ。(記者コラム・福井 亮太)

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