日本ハム 51年ぶり希少勝ち!新庄監督 ポテン1安打だけで1点もぎ取り「いやー楽しかった」

[ 2022年3月3日 05:30 ]

オープン戦   日本ハム1ー0ヤクルト ( 2022年3月2日    札幌D )

<日・ヤ>7回、佐藤の先制適時打に大喜びの新庄監督(撮影・村上 大輔)
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 日本ハムは2日、札幌ドームにヤクルトを迎え、オープン戦では1971年4月3日の大洋(現DeNA)以来、51年ぶりの1安打による1―0勝利を飾った。新庄剛志監督(50)は本拠地初采配で就任当初から掲げる「1点を守り、1点をもぎ取る野球」を実践。そつのない中継プレーやバントシフトでピンチの芽を摘むと無安打でつくった7回2死三塁から佐藤龍世内野手(25)が右前にポテンと落ちる適時二塁打を放った。

 わずか1安打による1―0勝利。オープン戦に限れば1971年までさかのぼる。それを72年生まれの新庄監督が本拠地初采配でやってのけた。偶然ではなく必然。「いや~楽しかった。まさに守備で勝つとはこういうこと。1安打で勝つ試合を(今季)60試合くらいしたい」と笑った。

 何度もファンを魅了してきた札幌ドームに監督として戻った。その初陣。唯一の安打で決勝点を奪ったのは7回だ。先頭の代打・近藤が四球で出塁すると2者連続で初球にヒットエンドランを敢行。併殺崩れで入れ替わった石井が二盗に成功した。細川がセーフティー気味の犠打で三塁へ送ると佐藤が打席へ。「前に飛ばせば何かある」と執念で放った打球は詰まりながらも二塁、右翼、中堅の真ん中へポトリと落ちた。たった1安打での決勝点。指揮官は両手を上げて喜びを表現した。

 3投手による完封リレーは、新庄イズムを叩き込まれた守備陣が支えた。まずは4回無死一、二塁で中村のバントを一塁・渡辺が猛チャージして三塁へ送り封殺。続くオスナの中飛でタッチアップで三塁を狙った二塁走者・内山壮は中堅・細川から遊撃・石井を経由した素早い中継プレーで刺した。7回2死では荒木が左翼線寄りの左前打で二塁を狙うと左翼でプロ初先発した田宮が二塁へ好返球してアウトに。本職は捕手の21歳は「シートノック中のスタメン発表で知った」というサプライズ起用に応えてピンチの芽を摘んだ。

 FAや大物外国人など大きな補強を行うチームではない。3年連続Bクラスに低迷しており、各選手の能力が急激に上がることもない。だから昨年11月の監督就任会見で「ヒットを打たなくても点は取れる。早く選手に伝えたい」と語った。今春キャンプでも、堅実に守り、少ないチャンスをものにする意識を徹底。奇抜なファッションや言動に注目は集まるが「練習のための練習はしない」とぶれない信念を持つ。これまでの実戦では走者がいない場面でも外野の飛球はタッチアップを想定して内野手に対して素早い返球を指令。この日につながった。

 「1本で勝つのは凄い。これは最高ですよ」と新庄監督。期待された派手な演出などはなかったが、約半世紀ぶりとなる「超スモールベースボール」で、白星をもぎ取った。

 ≪オープン戦1安打1―0勝利≫日本ハムがわずか1安打で1―0勝利。オープン戦の1安打勝利は広島が07年3月10日のソフトバンク戦に2―1で勝って以来。スコア1―0の1安打勝利となると71年4月3日に大洋(現DeNA)が東映(現日本ハム)戦で記録して以来オープン戦では51年ぶりの珍記録となった。なお、新庄監督は阪神で現役だった92年9月23日の公式戦の巨人戦(6番・中堅で先発)で相手の1安打の1―0完封達成を目の当たりにしている。

 ≪報道陣に「予想オーダー」クイズ≫新庄監督が報道陣に“珍クイズ”を出した。本拠地初采配となるヤクルト戦を前に「予想オーダーを考えて、午後5時半までにマネジャーに出して。当たったら(高級車の)カウンタックくらい」と豪華プレゼントを予告した。春季キャンプでは「ガラポン抽選器」などでメンバーを決定。「前の試合で使った選手は多くても1人。ぐるぐる回す」とヒントを与えたが「2000%当たらんよね」と不敵に笑っていた。

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