阪神・伊藤将、直球磨く 能見の直言胸に…2年目最多勝へ“新境地”

[ 2022年1月15日 09:43 ]

沖縄で自主トレを行い、能見(右)と並んでキャッチボールをする伊藤将(阪神タイガース提供)
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 阪神・伊藤将司投手(25)が14日、2年目のジンクス打破へ直球に磨きをかける考えを明かした。坂本誠志郎捕手(28)とともに沖縄県内でオリックス・能見篤史投手(42)との合同自主トレを公開。プロ18年目のベテランから直球の重要性を説かれ、意を強くした。目標には最多勝獲得を掲げ、球団左腕では江夏豊以来2人目の「新人から2年連続2桁勝利」にとどまらない進化を期した。

 まだプロでの経験が浅い伊藤将にとって2倍、3倍もの成長速度を味わえる空間だろう。隣で腕を振り、ランニングで背中を追うのは18年目を迎える能見。聞けば助言、金言が返って来る毎日に充実感を隠さない。

 「聞けることは聞いて、しっかり自分のものにしていきたい。横でキャッチボールをやらせてもらって能見さんの意識しているところを見ながら、自分の悪いところを指導してくれるので、そこを意識しながらやってる」

 昨季からオリックスに移籍した先輩とは入れ替わり。ほぼ初対面に近い状況でも、「話しやすいし、優しい」と浮かんだ疑問、抱えていた悩みを正直にぶつけている。11日から始まった合同自主トレはまだ序盤でも、既に2年目の壁をぶち破るヒントも手にした。

 「調子が悪い、そういう時はやっぱりストレートが軸になると教えてくれた。能見さんと話して、基本はストレートが大事なんだな…と感じた」

 10勝を挙げた昨季についても「悪い時は変化球でかわそうという意識があった。ストレートの重要性は分かっていたけど、調子が悪い時にどう原点に戻るかというのは分かっていなかった」と思い返した。

 説得力は十分だ。能見はキャンプ中盤まで変化球を封印し、直球だけを投げ込む独自の調整を今も貫く。“直球あってこその変化球”を地で行くスタイルで、結果も残してきた。その“能見流”の踏襲を宣言した。

 「ブルペンでもストレート一本でやると言っていたので、自分も取り組んでいこうかなと。能見さんが重視してやっていること。取り組んでみて良かったのか、分かればいい」

 沖縄出発前はフォーク習得や長寿の秘訣(ひけつ)を学ぶことを挙げていた中で“直言”が胸に刺さった。

 「優勝することと、個人としては最多勝を取れるようにやっていきたい。昨年の青柳さん(13勝)くらい勝てるように」。球団左腕では江夏豊以来2人目となる新人から2年連続2桁勝利も通過点でしかない。 (遠藤 礼) 

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2022年1月15日のニュース