広島新加入・アンダーソン 大谷を3球勝負で斬る制球力 助っ人に泣かされ続けた佐々岡監督も「期待」

[ 2021年11月5日 05:30 ]

レンジャーズでのドリュー・アンダーソン 投手(ロイター)

 広島は4日、来季の新外国人選手として前レンジャーズのドリュー・アンダーソン投手(27)と契約合意に達したと発表した。契約金30万ドル(約3420万円)で推定年俸70万ドル(約7980万円)プラス出来高払い。背番号は未定。エンゼルス・大谷から空振り三振を奪った最速155キロ右腕で、大瀬良、九里、森下らとともに最強先発陣の形成が期待される。

 18年以来の覇権奪回に向けた、助っ人補強第1弾はチームの屋台骨となる先発候補の獲得だった。アンダーソンは最速155キロの速球を軸にスライダー、カーブ、チェンジアップを制球良く操る本格派右腕。球団を通じ「カープの一員になれたことをとても光栄に思います。努力し真剣に取り組めば、広島に優勝を届けることができると思っています」とコメントした。

 先発2試合を含めメジャー通算19試合に登板し1勝3敗。今季は登板9試合で1勝1敗、防御率3・27だが、マイナーでは登板15試合中12試合に先発しており、チームも先発要員として期待する。松田元オーナーは「球に力があるし制球もいい。いい選手が獲れた。先発の4、5番手に入ってくるのではないか」と高く評価した。

 今季メジャー22イニングで与四死球7と、制球を乱して崩れるタイプではない。9月30日(日本時間10月1日)のエンゼルス・大谷との対戦が象徴的だ。速球とスライダーの2球で追い込むと、3球目の93マイル(約150キロ)を狙い通りの内角高めで空振り三振に斬った。本塁打王争いを展開した大谷に3球勝負を仕掛けたところに、制球面の自信がうかがえる。

 佐々岡監督も「この2年間のことがあるので、すごく期待している」と口にした。監督就任後の2年間は、助っ人が機能したとはいえない。特に今季は新外国人のネバラスカスが1試合、入団2年目のスコットは登板なしと散々な結果。先発助っ人の活躍次第で、来季の投手層の厚さは大きく変わるはずだ。

 今季に国内フリーエージェント(FA)権を取得した大瀬良と九里の去就は未定だが、森下、床田、高橋昂、玉村と後半戦は先発6枚を固定して戦うことができた。ここにアンダーソンが加われば、さらに強力な先発陣が形成可能。来季こそ、生え抜きと助っ投が力を合わせての逆襲を目指す。(河合 洋介)

 ◇ドリュー・アンダーソン 1994年3月22日生まれ、米ネバダ州出身の27歳。12年にドラフト21巡目でフィリーズ入り。17年8月1日のエンゼルス戦でメジャー初登板を果たし、20年はホワイトソックス、21年はレンジャーズに所属。メジャー通算19試合で1勝3敗、防御率6・50。1メートル90、93キロ、右投げ右打ち。

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