東海大相模・深谷謙志郎が見せた相模魂 イチロー氏と甲子園出場の父も見守り「うれしい」

[ 2021年10月31日 20:59 ]

5回に犠打を決めて味方ベンチに笑顔を見せる深谷(撮影・柳内 遼平)
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 第74回秋季高校野球関東大会は31日、ノーブルホームスタジアム水戸などで1回戦4試合が行われた。今春センバツ優勝の東海大相模(神奈川1位)は、12度の甲子園出場を誇る花咲徳栄(埼玉2位)を9―4で下し、来春のセンバツ出場当確に王手をかけた。三塁手の深谷謙志郎(2年)が攻守でチームをけん引した。

 今春センバツで日本一に輝いた「アグレッシブベースボール」を深谷が継承する。5―0の2回に1点を返され1死一、三塁。遊撃手前の緩いゴロに猛チャージした三塁手・深谷がランニングスローで一塁のアウトを奪った。流れを渡さない好守に「守備は全部(前主将の遊撃手)大塚(瑠晏)さんに聞いた。相模らしい攻めの守備ができました」と胸を張った。

 3回は中前へリードを4点に広げる2点打を放った。センバツ決勝にも出場した9番打者は2犠打1四球と打線の潤滑油となり18安打9得点で「事実上の決勝戦」ともいわれた強豪との一戦を制した。

 今夏の神奈川大会は準々決勝まで進みながら新型コロナウイルスの集団感染のため辞退。無念の引退となった3年生たちとは夏休み明けの学校で再会した。「不戦敗で終わって精神的に大丈夫なのか」と深谷は心配したが、3年生たちからは「元気に頑張れよ」と明るく声をかけられた。「やっぱり3年生は大人だなと。3年生の分も甲子園に行って、春連覇を目標に一戦必勝でいきたい」と勝利への思いは強まった。

 深谷には大塚のほかにもう1人憧れの内野手がいる。愛工大名電で主将を務め、イチロー氏らとともに2度の甲子園出場を果たした父・篤さん(48)だ。3年春の甲子園では松商学園(長野)との1回戦に「1番・二塁」で出場し、先頭打者本塁打を放った父に「尊敬じゃないですけど、目指すべき人かなと思っています」と目を輝かせる。

 一塁側の内野席でプレーを見守った篤さんは「一本打ってくれてうれしかった。(センバツ出場当確の)ベスト4ではなくて、優勝を目指して頑張ってほしい」と目を細めた。父に並ぶ2度目の甲子園出場当確まであと一歩だ。(柳内 遼平)

 ◇深谷 謙志郎(ふかや・けんしろう)2004年(平16)6月12日生まれ、神奈川県横浜市出身の17歳。小1で野球を始め、緑ケ丘中では横浜緑シニアでプレー。東海大相模では1年夏からベンチ入りし、2年秋に三塁手のレギュラーを獲得。50メートル走6秒3。遠投90メートル。高校通算4本塁打。1メートル67、72キロ。右投げ右打ち。

 ◇深谷 篤(ふかや・あつし)1973年(昭48)5月27日生まれ、愛知県出身の48歳。愛工大名電では2年夏と3年春に甲子園出場。法大を経て、三菱自動車岡崎でプレー。現役引退後は99年にセ・リーグ審判員となり、日本シリーズに3度、オールスターに2度出場。袖番号は23。

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