鳥谷敬がロッテにもたらせたもの 若手とファンのための2年間…パーティーグッズで声出しも

[ 2021年10月31日 21:16 ]

今年の4月に通算1000得点を達成したロッテの鳥谷
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 昔のことはよく知らないが、阪神時代に大勢の報道陣に囲まれていた鳥谷を取材していた人たちに聞くと、ロッテに移籍してからの雰囲気はかなり違うらしい。

 昨年3月に加入し、新型コロナウイルスの影響で開幕が延期されていた昨年5月には、球団公式インスタグラムで、ファンからの質問に答えた。

 朝はパン派かごはん派か?「ガッツリごはん派。朝にはパンはない」

 ジェットコースターに乗りますか?「ほとんど乗りません。苦手ではなくて、並ぶのが嫌です」

 好きな食べ物を教えてください?「肉です。一番好きなのを一つ選べと言われたらしょうが焼きです」

 こんなプライベートの柔らかな質問から、座右の銘を教えてください?「“ピンチと思うな。チャンスと思え”です。小学校の野球チームのコーチがボールの寄せ書きに書いてくれたもので、中学か高校の時に部屋の整理をしていてこのボールを見て、この言葉が目に留まりました」といった野球人生を支えた濃い話まで答えていた。

 今春の石垣島キャンプ中には、球団公式YouTubeで「教えて!鳥谷先生!!」のコーナーも開設。野球技術でなく「人間・鳥谷敬」として「仕事で失敗したときの気持ちの切り替え方」「親に自分の意見を聞いてほしいとき、どうしたらいいのか」などを熱弁していた。

 SNSを通じたファンとの交流だけではなく、若手にもプロとしての姿勢を伝えてきた。誰よりも早く球場に来て、試合のための準備を整えた。今年6月26日。自身40度目のバースデーでは、パーティーグッズのメガネをかけて、試合前の円陣でベテランが声出しも行った。

 7月に2軍に降格して、10月に全日程が終了しても、最後までしっかりと練習に取り組んでいたと聞いた。求道者のイメージも強いレジェンドだが、若いチームのためにできることをすべてやった。
 チームには安田、藤原、山口、和田ら将来有望な逸材が多い。そんな若手に、鳥谷の姿勢が伝わり、結果に表れる日は来るだろう。それは、決して遠くないと思っている。

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