エンゼルス・大谷が帰国「おつかれしたっ」 19日発表MVPの吉報は日本で待つ

[ 2021年10月31日 05:30 ]

羽田空港に到着した大谷(撮影・篠原 岳夫)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(27)が30日、日本航空機で米ロサンゼルスから帰国した。今季は投打二刀流で初めてシーズンを完走し、9勝&46本&100打点&26盗塁など全米を席巻した。このオフはここまで「6冠」と受賞ラッシュが止まらず、最大の注目は11月18日(日本時間19日)に発表されるア・リーグのレギュラーシーズンMVP。生まれ育った母国・日本で祝報を待つことになる。

 コロナ下の影響で閑散とした羽田空港国際線到着口に、大谷が姿を見せた。午後8時。黒のTシャツに紺のブルゾン、黒いパンツに白のスニーカーというカジュアルないでたちだった。メジャーを席巻した二刀流の帰国だが、偶然居合わせた一般客らも騒ぐことはなく、エンゼルスの球団マークが付いたスーツケースを押し、航空会社職員3人に付き添われ、記者のねぎらいの言葉には「おつかれしたっ」と返すと、水原一平通訳とともに「専用ゲート」から帰路に就いた。

 今季は投手で9勝2敗、打者ではリーグ3位の46本塁打、100打点、26盗塁とフル回転。現代野球の常識を覆す活躍を受けオフに入り表彰ラッシュが続いている。7年ぶりの選出となったコミッショナー特別表彰、選手間投票による年間最優秀選手など6冠。最大の注目は、11月18日(日本時間19日)に発表予定のア・リーグのシーズンMVPだ。今後は隔離期間を経てトレーニングの傍ら、契約メーカーやスポンサー契約企業とのミーティングや撮影に臨み国内でその吉報を待つことになりそうだ。

 MVP争い最大のライバルは、48本塁打で初の本塁打王に輝いたゲレロ(ブルージェイズ)。そんなゲレロも大谷をMVPとして認めているという。今夏のオールスター戦でゲレロから頼まれて大谷とのツーショット写真を撮影したスポーツ専門局ESPNのマーリー・リベラ記者は「もし投票権を持っていたら誰に入れるべき?とゲレロに聞いたら、“大谷を選ぶべきだよ”と言っていたんです」と証言した。シーズン終盤まで続いた本塁打王争いで大谷に競り勝った22歳の怪物。さらに打率・311、111打点はいずれも大谷に勝るが、投打二刀流のインパクトには自ら白旗を揚げていた。

 MVPのファイナリスト3人は11月8日(同9日)に発表予定で、ア・リーグは大谷、ゲレロ、同じく本塁打王のペレス(ロイヤルズ)が残ることが濃厚だ。受賞すれば日本選手では01年イチロー(マリナーズ)以来20年ぶり。喜びの第一声は故郷・日本で上げる。(柳原 直之)

 ≪ライバル・ゲレロも「選ぶべきだよ」懇意記者が証言≫今夏のオールスター戦前日の本塁打競争で実現した大谷とゲレロのツーショット写真はリベラ記者が提案した。シャイなゲレロは「僕ではなくあなたが頼んでよ。大谷が断りたかったら、あなたにNOと言えるから」とモジモジ。同記者が間を取り持つと、大谷は「もちろん」と快く応じたという。さらに通算541本塁打のデービッド・オルティス氏(元レッドソックス)にも頼まれ、記念撮影のシャッターを切った。その後の公式戦で再会した際には大谷とゲレロの両雄で言葉を交わし、友好を深めた。

 ▽今夏の本塁打競争とオールスター戦 大谷は本塁打競争に日本選手初出場。1回戦でソト(ナショナルズ)と2度の延長戦を繰り広げた末、28―31で競り負けた。500フィート(約152.4メートル)超えのアーチは1回戦でトップの6本を放ち、ゲレロらから熱いハグで激闘をねぎらわれた。翌日のオールスター戦で大谷は史上初めて投打同時出場し、勝利投手に。ゲレロは3回に一発を放ちMVP。史上3組目の球宴での親子本塁打だった。

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