大谷弾を最も近くで見た男ゴスリンに聞く「打球はボールを砕いてしまう感じだった」

[ 2021年10月31日 09:00 ]

本紙インタビューに応じたエンゼルスのゴスリン(撮影・柳原 直之)
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 37試合。今季のエンゼルスで最も多く3番に座ったのは、MVP3度のトラウトでもなく、19年打点王のレンドンでもなく、ユーティリティープレーヤーのフィル・ゴスリン内野手(33)だった。2番が定位置だった大谷の本塁打を、ネクストバッターズサークルの「特等席」で見つめ、一番初めにハイタッチで出迎えた。

 「彼の本塁打の多くは私の直前に打ったもの。間近で見られて、ハイファイブ(ハイタッチ)で出迎えられて。打球はまさにボールを砕いてしまう感じ。マジェステック(荘厳)でクールな景色でした」

 ゴスリンは10年ドラフト5巡目(全体164番目)でブレーブスに入団。その後、レンジャーズやパイレーツ、フィリーズなどでプレーしたが一度もレギュラーに定着することはできなかった。今季もエンゼルスとマイナー契約でスタートしたが、正三塁手レンドンが故障で離脱すると5月にメジャー昇格。メジャー9シーズン目で自己最多の104試合に出場し、打率・261、7本塁打、47打点とキャリアハイの成績を残した。本職は二塁や三塁だが、チームに故障者が続出し、一塁手や左翼手としても重宝された。

 ゴスリンは走力が高く、大谷との「2、3番コンビ」はジョー・マドン監督にも高く評価された。ゴスリンから見た大谷の長所は、真面目で実直な性格だという。「彼とは今年の春に出会ったが、1年間一緒にプレーしたことで、お互いのことをよく知るようになった。とても謙虚で良いチームメート。彼が世界最高のプレーヤーの一人であることは知っていたが、ここまで謙虚な男だとは知らなかった」。

 チームは7年連続でプレーオフ進出を逃した。長期離脱したトラウト、レンドンの両主砲が復帰すれば、来季のゴスリンの居場所は保証されていない。「私はエンゼルスに戻れることを願っている。ここが大好き。外野であろうと、どんな打順であろうと、必要とされることは何でもやる」。10月3日に33歳の誕生日を迎えたばかり。若くはないが、まだ老け込む年齢でもない。

 インタビュー終了後には記者にグータッチを求め、取材に対して感謝された。いぶし銀のナイスガイ。来季もエンゼルスでその働きを見てみたい。(記者コラム・柳原 直之)

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2021年10月31日のニュース