早大　2季ぶりVへ逆王手！楽天ドラ6・西垣が両足けいれんも執念8回2失点3勝目

六大学野球最終週第1日   早大5―3慶大 （ 2021年10月30日    神宮 ）

＜慶大・早大＞8回、気迫の表情で力投する早大の先発・西垣（撮影・木村　揚輔）
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　早慶戦1回戦が行われ、早大が慶大に5―3で逆転勝ち。2季ぶりの優勝に逆王手をかけた。楽天からドラフト6位指名された西垣雅矢投手（4年）が、両足がけいれんするアクシデントに見舞われながら8回4安打2失点の好投で、リーグトップの3勝目。31日の2回戦で慶大が引き分け以上で春秋連覇、早大は勝てば優勝となる。

　異変が起きても、西垣は続投を志願した。5―2の8回2死一、三塁。下山へ2球を投じたところで両足がけいれんし、顔をしかめた。ベンチから出てきた小宮山悟監督に、それでも「投げたいです」と言った。

　「足つって投げられるわけねえだろ！」と厳しい言葉を返されたが、投球練習2球を見た指揮官が「このバッターまで」と了承。直後に一ゴロに仕留め、ピンチを脱し、リーグトップの3勝目を手にし「自分で招いたピンチだったので、監督にわがままを言って続投させてもらった」と119球の熱投を振り返った。

　2回には広瀬に先制2ランを許し、連続イニング無失点が31回でストップ。防御率トップは守れなかったが、3回以降は踏ん張った。開幕前のオープン戦で150キロを計測したが、球速よりも、いかに打者を打ち取るかを考え、今リーグ戦に臨んだ。得意球のフォークを多投する組み立てで8奪三振。「ふがいない一球で2点を失ったけど、逆転してくれたので何とか自分も応えようと思った」と6ポイントで慶大と並び、逆王手に貢献した粘りの投球だった。

　9回は、31日の2回戦で先発予定の徳山をつぎ込み逃げ切り。昨秋は両校無敗で迎えた早慶戦で早大は1敗した時点、もしくは2分けでも慶大の優勝という条件下で連勝して10季ぶりの優勝をもぎ取った。今季は1分けも許されない昨季以上に厳しい状況に変わりはない。小宮山監督は「（開幕）連敗スタートからはレアなので。このチャンスをものにするか、後の人生で大きく違うぞと伝えている。全員で勝利をもぎ取りたい」と語気を強めた。（川島　毅洋）

　◇西垣　雅矢（にしがき・まさや）1999年（平11）6月21日生まれ、兵庫県出身の22歳。小3から野球を始め、梁瀬中では軟式野球部に所属。報徳学園では2年秋からエース。3年センバツは4強入り。早大では1年春にリーグ戦デビュー。1メートル84、87キロ。右投げ左打ち。