巨人9回2死から不振の中田&丸で執念ドロー 3点差追いつき2位死守

[ 2021年9月10日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人5―5DeNA ( 2021年9月9日    横浜 )

<D・巨>9回2死一、二塁、同点右前適時打を放つ丸(投手・三嶋)(撮影・会津 智海)
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 巨人は「野球は9回2アウトから」を体現して引き分けに持ち込んだ。試合後の会見で原監督は「価値ある引き分け。バッティングは気持ち。技術じゃない!」と声を張った。

 2―5の9回2死三塁から4連打の同点劇。完結させたのは極度の打撃不振に苦しむ丸だ。この日も先発を外れ、8回に代打出場も9打数連続空振り三振。昨季チーム唯一の全試合出場を果たした男が25打席連続無安打となった。試合前には広島時代からの師である石井野手総合コーチと話し込んだ。同コーチの教えの「成功の3割ではなく、失敗の7割をどう生かすか」は今も胸にある。一流選手の条件を「左打者は引っ張れてなんぼ」と語る原監督がほれ込み、FAでの獲得に動いた本来の打撃を取り戻すため、この日も模索を続けた。

 「何とかしたいという気持ちで食らいついた」と丸は振り返る。三嶋の8球目、153キロ直球を強く引っ張った。強烈な打球が一、二塁間を抜ける。26打席ぶり安打は同点適時打。両手を上げて喜んだ指揮官は「3打席に1回くらいああいう打撃をしてくれるとうれしい」と目を細めた。

 負ければ6月24日以来の3位転落となる危機だったが、22イニング連打がなかった打線が土壇場で執念を見せた。丸の直前に吉川、岡本和の連打で2点を奪い、なお2死一塁。中田が全力疾走で遊撃内野安打をもぎ取っていた。
 ともに今季初の5連敗と同一カード3連敗を回避。2位を死守し、首位・阪神と2ゲーム差に詰めた。丸は「勝てなかったけど流れは変わった」と言った。決して楽観はできないが、暗いトンネルの先に光は見えている。(神田 佑)

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