プロ野球記録16連勝を遂げた阪神・平田2軍監督の育成方針「“上手い”選手より“強い”選手」

[ 2021年9月10日 13:30 ]

5日にファーム新記録の16連勝を達成し、ウイニングボールを手に笑顔の阪神・平田監督 (撮影・後藤 大輝)
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 代表取材制のため頻繁にというわけにはいかないが、阪神・平田2軍監督への取材がここ最近の楽しみの一つとなっている。新型コロナの影響で1軍選手やコーチ陣の直接取材が叶わない今、唯一と言っていい対面取材の場。ウィットに富んだ「勝男語録」が面白い。

 8月を無敗で終えるなど、現在2軍プロ野球記録の16連勝中。平田監督は「みんなの集中力の賜物。これから9月10月と、1軍も勝負の月になってくるんでね。そこの中に呼ばれようという気持ちの表れだ」と、首位を争う1軍の力に何とかなろうとする選手らの姿勢が、結果に結びついているとうなずいた。14連勝を遂げた8月31日広島戦後の取材では、記者の印象に強く残る言葉があった。

 「ファームとはいえ、プレッシャーのかかるところじゃないと力は付かないっていつも言っている。俺が目指すのは、(逆境で)『来るなら来い、こんなん見せ所やん』っていうような選手をつくりたいんでね、基本的にはな。“上手い”選手より“強い”選手よ! そしたらどんどん1軍の勝負所で、いい結果が出せるような選手になっていく」

 9月1日広島戦では、高卒2年目右腕・西純が自己最長の8回を無失点と好投し、15連勝達成に大きく貢献。「他のピッチャーの人から『次勝ったら15連勝か』みたいな感じで言ってきたんで、ちょっといやらしかったですけど(笑い)。自分のピッチングをするだけだったんで」と力強い談話を残した。いかに自らにプレッシャーをかけ、その状況で結果を残せるか。連勝を止めるまいと躍起になる選手らの意識が、好循環を生み出していると感じた。

 35打席無安打と不振にあえぐ佐藤輝が、10日から2軍調整となることが決定的となった。プロ入りして一番の壁に直面した大器は、2軍でどのように修正し、再び1軍への扉を切り開いていくか。平田監督ら2軍首脳陣の指導にも注目していきたい。(阪神担当・阪井 日向)

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2021年9月10日のニュース