誠也よ、あと5戦くらい本塁打打ち続けて「誰にも破れない記録をつくって」 新井貴浩氏がエール

[ 2021年9月10日 05:30 ]

セ・リーグ   広島12ー5中日 ( 2021年9月9日    マツダ )

新井貴浩氏
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 誠也が6戦連発を決めた初回の本塁打は右中間へ。逆方向に長打が出るのは、しっかり間が取れて、ボールを呼び込み、軸がぶれずに自分のポイントでスイングできている証拠だ。どの打席も大事だけど、打者は特に第1打席と最終打席が大切に考えるもの。これだけ第1打席に本塁打が出るのは、集中できているということだし、心も体も試合に入る準備がしっかり整っているからだと思う。

 誠也は向上心の塊のような選手。周りからの期待値も高く、それに応えようと、今季もいろいろ試行錯誤してきた。新しいことにトライするには微調整もいる。甘い球に反応できず、苦しんだ時期もあった。ここへ来て感覚がフィットしつつあるのでは。不調があっても、もう何年も続けて打率3割、25本塁打以上という高水準の数字が残る。本当に素晴らしい。

 05年の当時は、不思議とホームランを打てる球が来た…という感覚だった。すべての球を外角低めに決められたら、なかなか本塁打にはできない。運もいる。その失投を逃さずに打てた。プロ野球記録がかかった7戦目は阪神戦。同じように甘い球があったのに、さすがに意識して力んだ。9回の最終打席は久保田(智之=現阪神2軍投手コーチ)との対戦。ど真ん中のスライダーを打ち損じて捕邪飛だったことを、よく覚えている。

 誠也には、あと1試合と言わず、5試合くらい打ち続けて、誰にも破れない記録をつくってほしい。(スポニチ本紙評論家)

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2021年9月10日のニュース