阪神・小野寺 26打席目やっと…プロ初タイムリー&初打点 高校時代のライバル高橋攻略

[ 2021年9月10日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3ー13ヤクルト ( 2021年9月9日    甲子園 )

<神・ヤ(18)>4回、代打・小野寺が左前適時打を放つ(撮影・大森 寛明)
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 大敗の中で、数少ない光明を残したのは阪神・小野寺だった。6点劣勢の4回2死一、二塁で代打出場し、高橋から左翼前へ適時打。プロ14試合、26打席目でうれしいプロ初打点を記録した。

 「今まで全然チームの力になれていなかったので、一つホッとした。これからもっとチームに貢献していければ」

 マウンド上の左腕とは、因縁があった。15年夏、当時京都翔英3年だった小野寺は、京都大会4回戦で高橋擁する龍谷大平安と対戦。当時の太田弘昭監督(現高知中央監督)からの「試合に負けてもあいつ(高橋)からホームランを打ってこい」という言葉に応え、4回に高橋から3ランを放つなど強豪撃破に貢献していた。6年の時を経て、プロの舞台で再戦。カウント1―2と追い込まれてからバットを少し短く持ち、148キロ直球を捉えてみせた。一塁ベース上で右手を掲げ、ベンチの祝福に応えた。

 「(近本の適時二塁打で生還後も)みんな頭を叩いたりしてくれたんで。これからもっとベンチから祝ってもらえるような選手になりたいです」

 今年4月に育成から支配下登録され、前半戦では3度の昇格機会を得るも結果を残せず。7月1日ヤクルト戦では同点の8回無死一塁で犠打を失敗し、そこからチームが敗戦するなどプロの厳しさを味わった。「後半戦の半分だけでも期待に応えられるように」。下を向いている時間はない。

 「スタメンで出たら、最後まで出続けられるように。スタメンじゃなくても、守備固め、代走、代打全てでチームに貢献できるようにやっていきたい」

 チームの悲願成就への力となるべく、背番号97が大きな一歩を踏み出した。
(阪井 日向)

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2021年9月10日のニュース