阪神・佐藤輝 2軍降格へ プロ入り後初めての試練も、悲願のVへ輝き取り戻して帰ってくる

[ 2021年9月10日 05:31 ]

セ・リーグ   阪神3ー13ヤクルト ( 2021年9月9日    甲子園 )

<神・ヤ(18)>9回無死、阪神・佐藤輝は空振り三振に倒れる(撮影・北條 貴史)
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 阪神の佐藤輝明内野手(22)が10日、プロ入り初めて2軍落ちすることが決定的となった。3試合ぶりに途中出場した9日のヤクルト戦で2打数2三振に倒れ、35打席連続無安打。球団日本人最多となるシーズン151三振を記録するなど良化の兆しが見られず、2軍戦で多くの打席を立たせて復活のきっかけをつかませる方向だ。チームは3位・ヤクルトに3―13で大敗し、優勝争いのライバルに痛い負け越しとなった。

 2試合連続欠場中だった佐藤輝は、6回途中の守備から3試合ぶりに甲子園のグラウンドに立った。胸に秘めた思いは相当だったはずだが、無念の空回り。6回2死一塁、9回先頭の2度の打席では、いずれも空振り三振に倒れ、シーズン151三振は球団日本人選手で史上最多記録となってしまった。

 これで6打席連続三振で、自己ワーストを更新し続ける連続打席無安打は、35まで伸びた。長いトンネルの出口が、一向に見えてこない。大敗を喫したヤクルト戦後に、怪物ルーキーの今後の起用法を問われた矢野監督は「今から考えようかなと思います」と、言葉を濁した。ただ、三つどもえの優勝争いの渦中で、長い目で復調を待つ余裕はない。チームと佐藤輝の現状を鑑み、思い切った断を下したもようだ。

 鳴り物入りで入団した今年は、春季キャンプから規格外のパワーで周囲を驚かせてきた。開幕後もルーキー離れした活躍を続け、ファン投票で球宴にも出場。ホームランダービーにも選ばれ、7月17日の球宴第2戦では、新人史上5人目の本塁打を放つなど、全国区の人気者となった。

 8月19日のDeNA戦では、田淵幸一(本紙評論家)の持っていた球団新人最多記録を更新する23号本塁打。パフォーマンスでも、記録面でも、圧倒的な存在感を見せてきたが、その歴史的な一発の直後からスランプに陥った。

 8月末から代打での出場が増え、今月7日のヤクルト戦で今季105試合目で初欠場。翌8日も出番がなかった。チームにとっても、本人の将来にとっても、ベンチに置いておく状況は好ましくなく、多くの打席を立たせるために1度、登録抹消することがベターという結論が出た。

 1軍がきょう10日から敵地での広島戦がある一方、2軍はあす11日から1軍本拠地の甲子園でウエスタン・広島2連戦がある。やり慣れた球場でできるだけ打席に立ち、本来の豪快な打撃を取り戻してほしいというのが、矢野監督ら1軍首脳陣の願いであることは間違いない。悲願の優勝のためには、間違いなくその力は不可欠。1日も早い復活が待たれる。(山添 晴治)

 ○…途中出場の佐藤輝(神)が2打席連続で空振り三振に倒れ、8月22日の中日戦から続く連続打席無安打は35まで伸びた。今季の三振数は151で、球団の日本人選手では97年桧山進次郎の150を超えて最多となった。外国人選手を含めても14年ゴメスの166、10年ブラゼルの153に次ぐ数字。

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