ソフトB・牧原大 復帰後好調の鍵は「数字どうこうより楽しむ」 反攻のキーマンが暴れまくる

[ 2021年9月10日 05:30 ]

チームのキーマンとして期待されるソフトバンク・牧原大
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 リーグ連覇を目指すソフトバンクは現在4位だが、低迷していた打線が上昇中で反転攻勢に打って出る。キーマンに迫る「どこまでも鷹(たか)く」では牧原大成内野手(28)に注目。故障から復帰後は13試合で打率.365と好調を持続している。1、2番を任され、得点力の鍵を握る男を直撃した。(取材・構成=井上 満夫)

 ――8月24日から1軍復帰し、8試合連続安打を記録。好調の要因は何なのか。

 「技術は変えていないけど、1打席1打席、楽しみながらやろうと思って状態も悪くない。この取り組みでいいなと思っています。体も心もリラックスして打席に立てている」

 ――前向きな考えに至ったのはどうして?

 「リハビリ中に1軍戦を見て、みんな打てないときがあっても気にしていないなと。自分は落ち込む方だったから、それをやめた。打てないときは打てない、結果だけ考えないようにと。次の日、また試合なので。野球ができることに感謝してやってますし、ベンチもにぎやかですよ」

 ――今季は6月に左足の張り、7月に左太腿筋損傷で離脱した。
リハビリ中はどんな思いだった?

 「早く戻らないといけないと焦ったのが原因で再発した。2度目は五輪中断期間と重なったので、しっかり治すことだけを考えた。技術は1、2カ月じゃ変わらないと思って」

 ――復帰後の打順は1、2番が多い。自分の役割とは?

 「何番を任されてもスタイル、今やっていることは変えない。1番だから絶対に初球は見ないととか、出塁しないととか考えを持ち過ぎると手が出なくなったりするので。深く考え過ぎず、何か一つでも役に立てるように」

 ――本職の二塁は三森選手が奮闘中で、遊撃や外野も守る。あらゆるポジションを守る上で意識していることは。

 「頑張っている三森が打ったら、自分も打ったろうとは思っている(笑い)。二塁だけでなく、他もやれるのが武器。自分では守りはうまいと思っていない。いろんな位置を守るのは難しいけど、ミスは誰でもするんだと恐れずに思い切ってプレーしています」

 ――復帰後の連続試合安打は9月3日のオリックス戦で山本に止められた。

 「結局、打つ、打たないはその日の運もある。山本君から次やったら打つかもしれない。何を振るかだけを考えていけば。特にどの投手を苦にしているとかは考えてはないです」

 ――東京五輪では育成同期の千賀、甲斐らが活躍して金メダルを獲得した。どう見ていたか。

 「もちろん、少し悔しさはありましたが実力なんだなと捉えています。でも今一緒にプレーできてますし、金メダルは心からおめでとうと思ってます」

 ――レギュラーシーズンも残り35試合。最後に連覇に向けた目標を。

 「混戦なのでまだ分からない。ただ残りが少ないので、目の前の試合を取ることを考えてやっていきたい。個人としては、もうケガをしないこと。あとは楽しんでやること。数字どうこうよりは、楽しみたいなと思っています」

 ◇牧原 大成(まきはら・たいせい)1992年(平4)10月15日生まれ、福岡県久留米市出身の28歳。熊本・城北では甲子園出場なし。50メートル5秒8の俊足と内野全ポジションを守れる点を評価され、10年育成ドラフト5位でソフトバンク入団。12年6月に支配下登録され、背番号は「129」から「69」に。14年に1軍初安打をマーク。同年にはウエスタン・リーグ新記録のシーズン120安打を記録し首位打者を獲得。15年から外野も始め、16年に背番号を「36」に変更。1メートル72、72キロ。右投げ左打ち。

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