世界一の1番打者となったMVPの山田哲人 あの日の2盗塁がなければ代表入りはなかった

[ 2021年8月8日 01:00 ]

東京五輪第16日 野球決勝   日本2―0米国 ( 2021年8月7日    横浜スタジアム )

<東京五輪 野球 決勝 日本・米国>記念撮影をする(左から)山田哲人、マクガフ、村上宗隆(撮影・北條 貴史)
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 野球の東京五輪日本代表が7日、悲願の金メダルを獲得した。MVPに輝いたのは、ヤクルトの山田哲人内野手(29)。全5試合で1番打者として先発出場し、打率・350、1本塁打、7打点、3盗塁と大活躍した。

 「めちゃくちゃうれしい。厳しい試合ばかりで、楽な試合は1試合もなかった。1番打者だからチャンスを作る側がメインかなと思っていたけど。逆に8番に村上、9番に絶好調の甲斐。チャンスで回ってくることが予想以上に多くて、しびれる場面が多かった」

 あの日、山田が果敢に決めた2盗塁。あれがなければ、代表メンバー入りはなかったかもしれない。5月27日の日本ハムとの交流戦。下半身のコンディション不良で今季ここまで1盗塁だった山田が、一気に2つ稼いだ。

 翌日。山田は京セラドームでオリックス戦に臨み、稲葉監督が視察した。「2盗塁の翌日も普段通りにプレーしていた。それを見て、体調面に問題がないことを最終確認できたみたいです」とNPB幹部。数日後、都内で開かれた代表選考会議。山田も名を連ねた。

 本塁打こそリーグ上位に位置していたが、打率は2割6分台。自身も関係者に「(代表入りは)厳しいっしょ…」と漏らすほど当落線上だった山田に、指揮官は体調さえクリアできえば活躍する確信があった。その大きな期待に山田も応えた。

 31日のメキシコ戦では今大会チーム1号の3ラン。韓国との準決勝では決勝の3点適時二塁打。7日の米国との決勝でもマルチ安打を放ち、2点目のホームも踏んだ。「悔いは残したくなかった。ずっと前から、オリンピックに選ばれて金を獲るっていうのは、一つのモチベーションとしてずっと頑張ってきた」。山田が世界一の1番打者になった。

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