泥沼のスランプ糧に…ソフトバンクの育成出身4年目・リチャードの夏が熱い

[ 2021年8月7日 08:00 ]

ソフトバンクのリチャード
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 ソフトバンクの育成出身4年目・リチャードの夏が熱い。身長1メートル89、体重119キロの大型内野手。持ち味はなんと言っても飛距離だ。

 首脳陣の度肝を抜く一発を放った。27日に開幕したエキシビションマッチから1軍に合流し、8月3日巨人戦の1打席目だった。先発・戸郷の146キロ外角直球を引きつけ、リストだけで弾き返した。逆方向へ舞い上がった打球は右翼席に達する逆転3ラン。春季キャンプから熱血指導をしてきた小久保ヘッドコーチは「あの打ち方でスタンドまで持っていける選手はあまりいない。僕の全盛期でもあれは無理ですね。明らかに力は抜けている」と目を丸めた。平石打撃コーチは「スイングや体の使い方はチームだけでなく、プロ野球選手の中でも理想的。スイングはいじらなくていい」と素質の高さに惚れ込んでいる。ここまで7試合は全て4番で先発。主力組が加わっても打順は変わらなかった。将来の4番候補として期待の表れだろう。

 泥沼のスランプが糧となっている。6月19日2軍戦から40打席ノーヒット。「野球が楽しくねー」と藤本2軍監督に3軍行きを志願したという。迎えた7月3日の3軍戦で「1番・DH」で出場し3安打をマーク。「その試合に出て楽しいと思ってから(調子)上がってきている」。自らにムチを打って浮上のきっかけをつかんだ。ファームではリーグトップの10本塁打、45打点をマークした。

 エキシビションマッチはここまで25打数6安打、打率・240も2本塁打、8打点。1軍の経験を積んでいるリチャードは「野球10。1休みの11構成です」と充実の時間を過ごしている。右の大砲候補は実りの秋を迎えようとしている。(記者コラム・福井 亮太)

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2021年8月7日のニュース