侍の要・甲斐 無失点リレーで金メダル「は~、よかったですね」 重圧から解放されホッと一安心

[ 2021年8月7日 22:37 ]

東京五輪第16日 野球・決勝戦   日本2-0米国 ( 2021年8月7日    横浜スタジアム )

<東京五輪・野球 日本・米国>最後を締め、甲斐(手前)と抱き合って喜び合う栗林(撮影・北條 貴史)
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 野球日本代表「侍ジャパン」が決勝で宿敵・米国を下し、悲願の金メダルを獲得した。1次リーグから無傷の5連勝で、五輪での金メダルは公開競技だった1984年ロサンゼルス大会以来37年ぶり2度目。正式競技、プロ選手参加となってからは初の快挙となった。

 この日の決勝で、5投手の無失点リレーに導いた正捕手の甲斐は、第一声で「は~、よかったですね、本当に。う~、よかったです」と、声を絞り出した。

 先発の森下とは「アメリカ打線も、本当に良い打線ですし、ただ、森下とは引かずに、思い切ってどんどん攻めていこうと。守らずに攻めるときは攻めていこうと話をしました」とミーティングしたことを明かし、「森下は本当によく投げてくれましたし、きょう投手陣は一生懸命投げてくれました」と、全投手をねぎらった。

 今大会は5試合中4試合でスタメンマスク。この日は若手投手陣や、ソフトバンクで育成同期の千賀とも組み、力強いジェスチャーを交えて強気のリードで引っ張った。捕手としてチームを支えたことには「苦しかったですね。でも、こうやってみんなで喜びあえて本当にうれしいです」と胸中を告白。それほど、重圧を感じていたようだ。

 予選初戦のドミニカ共和国戦では効果的なスクイズを決め、さらに決勝トーナメント準々決勝の米国戦ではサヨナラ打を放つなど、打率・385とバットでの貢献度も大きかった。野手ではただ一人の稲葉ジャパン皆勤賞で、試合後のハイタッチでは稲葉監督と長く激しく熱い抱擁。「自分のプレーよりもチームが勝ったというのが一番ですし、自分が打てなくても、きょうみたいに勝てればと思いましたし、自分どうこうではなくて、チームが勝ったのが一番です」と、金メダル奪還を喜んだ。

 試合終盤にはブルペンの救援投手陣と直接電話する姿が中継映像で流れた。長くコンビを組んでいる所属チームでの試合と異なり、急造バッテリーの連続となる国際試合。登板してからの打ち合わせ時間短縮のため、攻撃イニング間の打ち合わせに活用しており、「直電」での入念な作戦会議が無失点リレーを生んだ。

 最後に甲斐は「スポーツを通して、野球もそうですが、一生懸命やれば、勇気を届けられれば、と思いました。今こういう状況で野球ができているのも、たくさんの人たちの支えがあってのこと。本当にこの大会を通して、いろんなものを感じることができました」と感慨深げだった。

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2021年8月7日のニュース