侍 日米決戦 ミスターに金メダルを!韓国戦前に生電話、決勝生観戦へ

[ 2021年8月7日 05:30 ]

東京五輪開会式 聖火のトーチキスを行う(左端から)王貞治さん、長嶋茂雄さん、松井秀喜さん
Photo By 代表撮影

 侍ジャパンは7日、東京五輪金メダルを懸けて米国との決勝に挑む。正式競技、プロ選手参加大会では初めての頂点を目指す決戦。当日、体調に問題がなければアテネ五輪野球日本代表監督の長嶋茂雄氏(85)も観戦を予定している。大会中に長嶋氏から電話で激励を受けた稲葉篤紀監督(49)。ミスターへ、そして日本中の人々へ、黄金色のメダルで「感謝」を届ける。

 電話越しに、熱い気持ちを確かに感じた。4日の韓国との準決勝前、稲葉監督に届いたミスターからの生電話。「長嶋さんの思いがうれしかった。試合にも勝たせていただいた。さすが幸運の持ち主、ありがたかったです」。8回に勝ち越しての劇的な決勝進出。ミスターの思いも胸に決戦の舞台に立つ。

 「今回、僕の中でずっと“感謝”という言葉しかなくて。ボランティアの方、スタッフ、ホテルの関係者だったり。皆さんの努力や支えが、ここまでの結果に伝わってます」。

 アテネ五輪監督ながら、病に倒れて本戦での指揮がかなわなかった長嶋氏は、日本開催の今回、開会式の聖火リレーにも登場。悲願の金メダルを、その目で見届けるために決勝の観戦を予定している。その長嶋氏だけでなく、球界関係者、コロナ下の大会運営に関わる人々、そして応援してくれる国民へ。指揮官は金メダルが最大の「感謝」の証になると信じている。

 先発は中6日の森下を指名。山本を除き、中4日となる田中将ら他9投手がブルペン待機し、抑えの栗林まで総動員リレーでつなぐ。指揮官は「森下は重圧がかかる中、長いイニングというよりは、後ろに投手みんながいる。一人一人思い切っていってほしい」と期待した。

 打線は大会通じて不動のまま。「いい流れで来ている。基本的には変えずに」。下位から回り得点源となる1番・山田、2番・坂本は好調。打率・067の鈴木誠も「やれることを精いっぱいやってくれている。最後まで信じて」と4番に置く。相手先発はソフトバンクのマルティネス。同僚で女房役の甲斐の情報も有効活用する。

 金メダルとなれば公開競技だった84年のロサンゼルス以来37年ぶり。4年間の集大成となる一戦。「簡単な道のりではなかった。我々、選手も含めて悔いのないように全力で戦う」。その先に、金色のフィナーレが待っている。(後藤 茂樹)

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2021年8月7日のニュース