早実がシード校撃破 1年生・深谷がランニングホームラン

[ 2021年7月19日 14:08 ]

第103回全国高校野球選手権 西東京3回戦   早実6―0佼成学園 ( 2021年7月19日    スリーボンド八王子 )

<高校野球西東京大会 早実・佼成学園>5回1死二塁、早実の代打・深谷(左から2人目)はランニング本塁打を打ちナインから出迎えられる (撮影・西川 祐介)
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 早実の1年生が躍動。第4シードの佼成学園を撃破した。ベンチ入りした1年生5人のうち3人がスタメン出場。4人目の1年生として5回の守備から遊撃手で途中出場した背番号20、深谷空(そら)がバットと足で貢献した。

 「試合に出たら3年生のためにと思ってやってる。“(3年生から)思い切り行け”と言われ、思い切り行きました」。そう振り返るのは、4―0で迎えた5回1死二塁の打席だ。内角の直球。「思い切り行ける」と鋭く反応すると、打球はライナーで左中間を深々破った。「一塁を回ったとき、外野手がまだ追ってたので行けると思った」。50メートル6秒3の快速を飛ばし、一気に本塁を陥れた。

 試合を決定づけるランニング2ラン。高校通算2本目、公式戦は初本塁打がランニングとなって「まさかという感じ」と笑った。
 打力よりも安定した守備を買われてベンチ入り。スタメンの遊撃手は同じ1年生の山本蒼空だった。「山本は打力があるので、先に出した方が安心感がある」。そう説明した和泉実監督は「深谷に期待しているのは守備だけど、今日の一打は彼の自信になるし、山本にも火が付く。チームにとっていいヒットだった」と続けた。

 愛知・梅坪台中から15年夏の甲子園で1年生で2本塁打を放った清宮幸太郎(現日本ハム)に憧れて早実へ進学。その弟・福太郎が主将を務めるチームで躍動した。「清宮さんは(1年生が)やりやすいようにやらせてくれる。チームの士気を高める頼りになる存在です」。1年生が活躍する早実は強い。80年夏の荒木大輔(現日本ハム投手コーチ)、15年夏の清宮幸太郎…。深谷の一打に、進撃の予感が漂っていた。

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2021年7月19日のニュース